このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

マイタケの高機能性プレバイオティクス食品としての実証と低コスト栽培技術の普及

年度
2016
ステージ
実用技術
分野
林業・林産(きのこ)
適応地域
全国
キーワード
マイタケ、機能性、プレバイオティクス、脂質代謝、免疫
課題番号
25092C
研究グループ
北海道立総合研究機構林産試験場、帯広畜産大学食品科学研究部門、北海道大学大学院獣医学研究科、北海道情報大学医療情報学部、本別町農業協同組合
研究総括者
北海道立総合研究機構 林産試験場 佐藤 真由美
研究タイプ
重要施策対応型
研究期間
平成25年~27年(3年間)
PDF版
マイタケの高機能性プレバイオティクス食品としての実証と低コスト栽培技術の普及(PDF : 1191.4KB)

1 研究の背景・目的・目標

マイタケ「大雪華の舞1号」は、培地基材の一部を北海道の主要な造林樹種、カラマツに置換しても収量が減少しない特徴をもつ品種である。カラマツは安定供給が可能で、カンバ類よりも安価なことから、栽培コストの低減も可能になる。本研究では、「大雪華の舞1号」の動脈硬化抑制作用と免疫増強効果のメカニズムをラットの腸内環境改善の観点から解明し、さらにヒトでのエビデンスを得ることにより、プレバイオティクス食品としての利用拡大と低コスト栽培技術の普及を目指す。

2 研究の内容・主要な成果

(1) 「大雪華の舞1号」は従来品種に比べ、機能性成分である食物繊維(β-グルカン、キチン)が多く含まれ、培地基材としてカラマツを使用した場合の影響は少なく、むしろポリフェノールが増加する効果を認めた。

(2) 「大雪華の舞1号」のプレバイオティクス効果(腸内環境改善効果及び腸管バリア機能の増強効果)を動物レベルで実証するとともに、腸内細菌叢に与える影響を次世代シーケンサー解析により明らかにした。

(3) 「大雪華の舞1号」の摂食による抗動脈硬化作用を動物レベルで実証するとともに、インフルエンザ感染試験では、インフルエンザウイルス増殖抑制効果を確認した。

(4) 「大雪華の舞1号」の摂食による抗動脈硬化作用及びインフルエンザワクチン効果の増強作用をヒトレベルで実証した。

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び取り組み状況

(1) 北海道内のきのこ生産者において試験栽培を実施し、生産現場への品種の普及を図った。平成28年から本格的な生産・販売を開始する予定である。

(2) 新聞、テレビ、ラジオ等のマスコミのほか、市民向けのセミナー、試食会やイベントを通じて、「大雪華の舞1号」の健康機能性について、普及を推進した。

(3) 「大雪華の舞1号」の健康機能性について、ヒトでの実証試験で得たエビデンスをもとに、食品の機能性表示制度の活用に向けた取り組みを進め、品種の高付加価値化と普及を図る。

4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献

(1) ヒトでのエビデンスの確立により、品種の付加価値が高まり、食品機能性表示の活用が期待できる。これにより、機能性食品及び加工食品への利用が進み、夏期の需要増加や農業所得の増大が可能となる。

(2) 健康機能性のエビデンスを確立したマイタケを供給できることから、国民の健康維持・疾病予防に貢献できる。また、機能性・加工食品への活用や6次産業化により、食品関連産業への経済効果が期待できる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

(地独)北海道立総合研究機構

林産試験場
TEL 0166-75-4233

同じ分野の研究成果

林業・林産
竹林
バンブーリファイナリー技術開発による竹林有効利用の先進的九州モデル構築
林業・林産
木材利用
スギの圧縮と摩擦特性を活かした高減衰耐力壁の開発
林業・林産
育種
西南日本に適した木材強度の高い新たな造林用樹種・系統の選定及び改良指針の策定
林業・林産
竹林
侵略的拡大竹林の効率的駆除法と植生誘導技術の開発
林業・林産
森林病害虫
薬剤使用の制約に対応する松くい虫対策技術の刷新

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader