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農林水産技術会議

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侵略的拡大竹林の効率的駆除法と植生誘導技術の開発

年度
2018
ステージ
実用技術
分野
林業・林産(竹林)
適応地域
全国
キーワード
モウソウ竹、駆除、植生誘導、竹林管理、除草剤
課題番号
27022C
研究グループ
(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所、石川県林業試験場、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所、
島根県中山間地域研究センター、愛媛大学農学部
研究総括者
(国研)森林研究・整備機構 鳥居 厚志
研究タイプ
現場ニーズ対応型 Bタイプ
研究期間
平成27年~29年(3年間)
PDF版
侵略的拡大竹林の効率的駆除法と植生誘導技術の開発(PDF : 1140.3KB)

1 研究の目的・終了時達成目標

里山地域の竹林は、その多くが放置され周囲の森林や耕作地に侵入している。そこで、邪魔な放置竹林を効率的に駆除し広葉樹林などに誘導することを目的とする。このため、竹林の分布や拡大状況を把握するために空中写真上で竹林を識別する技術を確立すること、伐採の繰り返しによって竹を駆除する要件を摘出すること、除草剤を使って竹を駆除する施業法を確立すること、竹の駆除に要するコストを試算すること、以上の全ての方法や手順をわかりやすい手引き書にまとめることを達成目標とする。

2 研究の主要な成果

(1) 伐採の繰り返しで竹を駆除するために、7年程度は年2回の刈り払いが必要であることを明らかにした。また、伐採した竹稈を棚状に積むと、後の刈り払いに支障があり再生竹の温床になることを明らかにした。

(2) 塩素酸系除草剤の土壌散布とグリホサート系除草剤の切株注入が、竹の再生を抑制する効果が高いことを明らかにした。グリホサート系除草剤の切株注入法は本事業で新たに開発した施用法である。

(3) 空中写真上で竹林と他の森林を識別するためには、タケの葉色が黄色味を帯びる葉替り期(4月~6月)の画像を用いるのが有効であることを明らかにした。

(4) 竹駆除の様々な作業のコストを試算した。一連の作業の方法・手順を手引き書にまとめた。

公表した主な特許・品種・論文

(1) 池田虎三.薬剤の伐痕注入による竹林の効率的な駆除方法.中部森林研究64.55-56(2016)

(2) 池田虎三他.除草剤の伐痕注入処理による新たな竹林駆除方法の開発.公立林業試験研究成果選集14.21-22(2017)

(3) 上森真広他.空中写真判読による竹林の分布解析手法の開発.公立林業試験研究成果選集15.印刷中(2018)

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 参画各機関では、普及セクション、NPO法人、森林組合などの事業団体と連携しながら竹駆除・竹林整備の普及のための講習会などを開催する。

(2) 普及を促すために研究成果を冊子にまとめた。これを利用して各地方の地域協議会などで成果紹介を行うとともに、NPOなどのネットワークを活用して竹林整備の普及を図る。

【今後の開発・普及目標】

(1) 2年後(2019年度)は、参画3府県で100ha以上の竹林整備・竹駆除を実行する。

(2) 5年後(2022年度)は、参画府県以外の複数府県での竹駆除・竹林整備を実行する。

(3) 最終的に、西日本を中心に、各地の放置竹林の整備を実行する。

4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

(1) 竹の駆除を進めることで竹の拡大による木材資源の消失を抑えることができ、数百万円/haレベルの損失を防ぐことができる。

(2) 本研究の成果を活用して竹の駆除・竹林整備が進めば里山資源の活用に繋がる。また、生物多様性の低下や里山森林景観の変貌を抑制することで生態系サービスの低下を抑制できる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

(国研)森林研究・整備機構

森林総合研究所関西支所
E-mail:www-fsm[at]ffpri.affrc.go.jp
[at]を@に置き換えてください。
TEL 075-611-1201

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