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農林水産技術会議

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地域の育種集団におけるFNPsハプロタイプを用いた高速ゲノム育種法の開発

年度
2016
ステージ
シーズ創出
分野
農業(水稲)
適応地域
全国
キーワード
イネ、優良品種、品種育成、ゲノム育種、DNAマーカー
課題番号
25014A
研究グループ
農研機構北海道農業研究センター、道総研上川農業試験場、北海道大学情報科学研究科
研究総括者
農研機構北海道農業研究センター 藤野 賢治
研究タイプ
Aタイプ
研究期間
平成25年~27年(3年間)
PDF版
地域の育種集団におけるFNPsハプロタイプを用いた高速ゲノム育種法の開発(PDF : 1255.4KB)

1 研究の背景・目的・目標

農業生産基盤の強化、生産性が向上した品種の開発による作物生産量の増大が必要となっている。そのため、地域特性を生かし、かつ社会ニーズに迅速に対応する新たな品種育成技術FATES法(遺伝的に近縁な地域の育種集団が包含する遺伝変異を表現型と関連づける技術)の開発を行う。これにより、地域で育成された優良品種が有する優良形質に関する有用遺伝子を明らかにし、優良形質の効率的な集積によってDNAマーカー技術による品種育成の高速化が図れる。

2 研究の内容・主要な成果

(1) 北海道のイネ品種群をモデルとして、本品種群に特化したSNPタイピングアレイによる遺伝子型および品種育成で評価・選抜対象とする表現型のカタログ化を行った。

(2) これら遺伝子型と表現型の連関解析により優良形質に関わる有用遺伝子の同定およびFATES法に必要な各種のデータ解析を統合して解析できる専用プログラムFATESerを開発した。

(3) FATESerを用いた連関解析により、北海道のイネ品種群における品質、いもち病抵抗性に関わる遺伝子の同定及び収量性に関わるQTLの同定に成功した。

(4) 選抜マーカー開発において、解析集団を作出する従来の遺伝子同定法に比べてその期間を3分の1に短縮した。

(5) 同定したいもち病抵抗性遺伝子Pi-cdを活用した高度いもち病抵抗性を付与した良食味系統の選抜を行った。


公表した主な特許・論文

(1) Shinada, H. et al. Quantitative trait loci for rice blast resistance detected in a local rice breeding population by genome-wide association mapping. Breeding Science 65, 388-395 (2015)

(2) Fujino, K. et al. Genetic shift in local rice populations during rice breeding programs in the northern limit of rice cultivation in the world. Theoretical and Applied Genetics 128, 1739-1746 (2015)

(3) Shinada, H. et al. Historical changes in population structure during rice breeding programs in the northern limits of rice cultivation. Theoretical and Applied Genetics 127, 995-1004(2014)

3 今後の展開方向、見込まれる波及効果

(1) 品種育成現場へ高速ゲノム育種法(FATES法)を導入するため、解析精度の向上およびプラットフォームの汎用化を行う。

(2) 北海道以外の地域のイネ品種群へ高速ゲノム育種法(FATES法)を適用し、各地域の品種育成を加速するとともに、各地域で見出された有用遺伝子の相互活用による形質の向上が期待できる。

4 開発した技術・成果が活用されることによる国民生活への貢献

高速ゲノム育種法により、社会ニーズに迅速に対応する品種育成が期待できる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

農研機構

北海道農業研究センター
TEL 011-857-9478

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