このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

サケ科魚類養殖業の安定化、省コスト・効率化のための実証研究

実証地域
宮城県
分野
漁業・漁村
分類
網羅型実証研究(網羅型研究課題名サケ科魚類養殖業の安定化、省コスト・効率化のための実証研究)
代表機関
(研)水産研究・教育機構
参画研究機関
宮城県水産技術総合センター、(株)ニチモウマリカルチャー、日本農産工業(株)、(国)東京大学、(国)九州大学
研究実施期間
平成25年度~平成29年度

1 研究の背景・課題

宮城県におけるギンザケ養殖は地域の基幹産業であったが、東日本大震災で生産・加工基盤の大半を失った。加えて、宮城県産養殖ギンザケ市場の多くは生産を再開するまでの間に外国産養殖サケ類に置き換えられ、地域の基幹産業としての存続が危ぶまれている。このような危機的状況にある宮城県のギンザケ養殖を復活させるには、生産の効率化とともに市場ニーズにあった良質な養殖ギンザケを安定的に供給することが必要である。

2 研究の目標

  • 販売・生産戦略の提示、飼料の改善と鮮度保持による高品質化により浜値の30%向上。
  • 効率給餌により生産コストの10%削減。
  • 高成長家系魚による早期出荷(成長効率1.4倍)と防疫手法の開発による死亡魚の抑制(海面で発生する死亡の90%防除)。
  • 以上により、ギンザケ養殖業において生産者の収益率2倍を目指す。

3 研究の内容

  • 社会経済的な視点からの市場調査をもとに、我が国のサケ市場における宮城県産養殖ギンザケの位置(市場価値)を明確化し、販売戦略を提示する。また、外国産養殖サケに市場を席巻されている生食分野(刺身・寿司商材)への供給が可能な高品質養殖サケを目指して良質なサケの育成と収穫後の品質保持・向上を図る。
  • 生産性と収益の向上を目指して、一連の養殖生産体系を見直す。
  • 収量に影響を及ぼす成長や歩留まりを向上させるための高成長魚の作出。稚魚期(淡水)から海面での育成期を通じて生残率に影響を及ぼす病害の防除。

4 研究成果概要

  • 魚の消費が全国的に減少傾向がある中、生鮮生食サケの消費は伸びており、ギンザケを生食用サケとして流通させる有効性が確認された。また、活締め+シャーベット氷を用いることにより、生食用として輸送に2日間かけられること,電気ダモシステムにより活締め作業効率を大幅に向上させられることが明らかになった(図1)。
  • 試作した低コスト飼料で養殖したギンザケは,成長倍率は通常飼料にやや劣ったものの増肉係数と飼料コストが改善し概算収支は大きく上回った(図2)。
  • 高成長系統魚は,種苗生産段階で1.2倍程度の成長向上(図3)。EIBSウィルスに対する簡便な検査法を開発し,幼魚期に一度感染して免疫を獲得した種苗を判別可能になった。さらに,ワクチンを試作中。ビブリオ病ワクチンの使用方法を再検討し,注射法の方が効果期間が長い傾向(図4)。

※(EIBS: Erythrocyticinclusion body syndrome:赤血球封入体症候群)ビブリオ病に次ぎ、ギンザケ被害第2位の病気。幼魚期に一度感染して回復した種苗は,免疫獲得により海面で再発しない傾向。

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所

TEL:0154-91-9136(代)

関連情報

パンフレット

漁業・漁村
宮城県
ギンザケ用低コスト飼料の開発
漁業・漁村
宮城県
電気ダモによるギンザケ活締め作業の効率化
漁業・漁村
宮城県
給餌方法の見直しによるギンザケ養殖効率化
漁業・漁村
宮城県
ギンザケEIBS感染履歴検査法の開発
漁業・漁村
宮城県
高成?系統ギンザケの開発
漁業・漁村
宮城県
サケ科魚類養殖業の安定化、省コスト・効率化のための実証研究

予算・事業概要

事業評価

関連ホームページ

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader