良日持ち性および萎凋細菌病抵抗性を有するカーネーション品種の開発
- 課題番号
- 26088C
- 研究グループ
- 農研機構、北海道立総合研究機構農業研究本部 花・野菜技術センター、
愛知県農業総合試験場、
長崎県農林技術開発センター - 研究総括者
- 農研機構 山口 博康
- 研究タイプ
- 育種対応型 Aタイプ
- 研究期間
- 平成26年~28年(3年間)
- PDF版
- 良日持ち性および萎凋細菌病抵抗性を有するカーネーション品種の開発(PDF : 1993.1KB)
1 研究の背景・目的・成果
カーネーションは人気の高い花きのひとつであるが、国内産比率が低下している。そこで、日持ちの良い切り花を国内産地から周年出荷可能な体制を作ることで国内生産の回復を目指し、従来の品種より日持ちが良い、あるいは、重要病害である萎凋細菌病に対する抵抗性を有し日本の暖地から寒地・高冷地の作型まで広く適応する日本オリジナル品種の開発に取り組み、良日持ち性カーネーション「カーネ愛農1号」を品種登録出願し、さらに良日持ち性の有望系統4系統、萎凋細菌病抵抗性の有望系統6系統の育成を進めている。
2 研究の内容・主要な成果
(1) 良日持ち性スプレータイプカーネーション「カーネ愛農1号」を開発し、品種登録出願した。
(2) 「カーネ愛農1号」は、日持ちが20.4日と愛知県の主要品種と比較して約3倍長い。
(3) 暖地の作型では、開花は早く10 月上旬から始まり、早生系統でありながら一番花から草丈が良く伸び十分な切り花長が確保できる。
(4) さらに、良日持ち性の有望系統4系統、萎凋細菌病抵抗性の有望系統6系統について育成を進めている。
【公表した主な特許・品種・論文】
(1) 品種登録出願30253 カーネーション品種カーネ愛農1号を品種登録出願(H27年6月) (出願者名:愛知県、農研機構)
(2) 堀田真紀子他.日持ち性の優れるスプレーカーネーション「カーネ愛農1号」の開発とその特性.愛知県農業総合試験場研究報告 48, 63-71 (2017)
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び取り組み状況
(1) 愛知県花き温室組合連合会カーネーション部会と許諾契約締結し、平成28年度には愛知県内の15aで栽培された。
(2) カーネーション苗を取り扱う種苗会社主要3社と許諾契約した。これにより、平成29年6月から愛知県外でも切り花生産が開始され、10月から出荷される見込みである。
【普及目標】
(1) 2017年は、3万株を計画。また、現在作成中の栽培マニュアルが完成。
(2) 2018年は、8万株を計画。
(3) 3~5年後には、15万株以上を目標。栽培事例を収集し、栽培マニュアルを改良。
(4) 将来的には、国内生産量の3%を占めるようにする。
4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献
良日持ち性で安定生産可能な品種を開発することにより、カーネーション切り花が国内から周年供給され、鮮度が高く長く楽しめる手ごろな家庭用の花を消費者が購入できるようになり、多くの家庭で花のある生活
が実現し、我々国民の生活に潤いを与える。
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