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農林水産技術会議

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高機能発酵食品開発のための発酵食品セラミドの機能性解明

年度
2017
ステージ
シーズ創出
分野
食品(発酵技術)
適応地域
全国
キーワード
麹菌、セラミド、発酵食品、メタボリックシンドローム改善、経腸吸収
課題番号
26056A
研究グループ
佐賀大学農学部、 農研機構食品研究部門、
岩手大学農学部
研究総括者
佐賀大学 北垣 浩志
研究タイプ
一般型 Bタイプ
研究期間
平成26年~28年(3年間)
PDF版
高機能発酵食品開発のための発酵食品セラミドの機能性解明(PDF : 1289.1KB)

1 研究の背景・目的・成果

和食は近年健康食として世界で注目を集めているが、その機能性の報告は多くない。その機能性を明らかにすれば世界に健康食としてアピールでき、和食の輸出増加に貢献できる。そこで和食特異的健康素材を探し、麹グリコシルセラミドがあることを見出した。麹は味噌や醤油、塩麹、甘酒、お酢、黒酢、日本酒など日本の発酵食品に共通に含まれており、和食の基盤である。この麹グリコシルセラミドが腸内で分解され、吸収されてリンパ管で肝臓に運ばれること、肝臓に運ばれるとPPARγを活性化すること、肝臓コレステロールを低下させることを明らかにした。和食の健康機能のひとつを明らかにしたと言える。

2 研究の内容・主要な成果

(1) 麹グリコシルセラミドが甘酒、塩麹、濁り酒などに多く含まれていることを明らかにした。

(2) 麹グリコシルセラミドが腸内で分解され、リンパ管を通じて吸収されることを明らかにした。

(3) 麹グリコシルセラミド分解物がPPARγを活性化し肝臓コレステロール低下作用を持つことを明らかにした。

【公表した主な特許・論文】

(1) 日本の伝統発酵食品、麹に含まれるモノヘキソシルセラミドの糖部分の化学的解析. Hamajima et al., Fermentation, 2(1), 2 (2016)

(2) 麹に含まれるグリコシルセラミドの酵母との共培養による機能性、Applied and Environmental Microbiology, 81(11):3688-98 (2015).

(3) 麹で造られる醸造食品のグリコシルセラミド含量定量手法の検討とそれを用いた定量、日本醸造学会誌、accepted for publication (2017)

3 開発した成果の展開方向

(1) 麹セラミドにメタボリックシンドローム改善効果があることを消費者に訴求する。

(2) 和食のほとんどには麹が含まれるため、麹セラミドの機能性は和食全般の機能性として世界に訴求できる。

【開発目標】

(1) 2017年は、麹グリコシルセラミドを通じて発酵食品の健康効果を学術論文や新聞雑誌テレビで解説。

(2) 2018年は、有効成分を訴求することで発酵食品の日本全体での売り上げを10%増加。

(3) 3~5年後には、有効成分を訴求することで発酵食品の世界での売り上げを10%増加。

(4) 将来的には、発酵食品で生活習慣病を予防する方法を確立する。

4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献

麹セラミドを活用した生活習慣病予防方法が確立することで、日本人の生活習慣病患者が減少する。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

佐賀大学

北垣浩志
TEL0952-28-8766

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お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課産学連携室

担当者:産学連携振興班
ダイヤルイン:03-3502-5530
FAX番号:03-3593-2209

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