幹細胞を介して脳血管疾患・認知症を予防する農産物の評価手法の確立と素材探索
- 課題番号
- 27005A
- 研究グループ
- 札幌医科大学医学部、農研機構 食品研究部門、
- 研究総括者
- 札幌医科大学 教授 本望修
- 研究タイプ
- 一般型 Aタイプ
- 研究期間
- 平成27年~29年(3年間)
- PDF版
- 幹細胞を介して脳血管疾患・認知症を予防する農産物の評価手法の確立と素材探索(PDF : 904.8KB)
1 研究の目的・終了時の達成目標
本邦における要介護の主因である脳血管疾患・認知症の予防に関与する幹細胞を活性化する農産素材を見出し、健康寿命の延長をもたらす革新的な実用技術を開発することを目的とする。同目的達成のため、(1)幹細胞の活性により、脳血管・認知機能を簡便に評価できる手法を確立する。(2)多くの農産素材をスクリーニングして、幹細胞の活性を賦活化する素材を見出す。(3) (1)および(2)を踏まえて、ヒト介入試験プロトコルを策定する。以上の(1)から(3)を達成目標とする。
2 研究の主要な成果
(1) 10種類の農産素材よりペレット餌を作製した。→ 栄養成分のばらつきのない餌が製造できた。
(2) 農産素材を摂取するin vivo試験を行った。→ 4種類の幹細胞を賦活化する農産素材がスクリーニングされた。
(3) 認知機能を改善する農産素材を見出した。→ 農産素材Aの摂取により、幹細胞の活性の賦活化と認知機能の改善を認めた。
公表した主な特許・論文
出願中(特願2018-21848)
特許名 間葉系幹細胞増殖促進用組成物および認知機能改善用組成物
(出願人:北海道公立大学法人 札幌医科大学、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
3 今後の展開方向
(1) ヒト介入試験の遂行。
(2) 有効性のある農産素材のデータベース格納。
【今後の開発目標】
(1) 2年後( 2019年)は、上記4種類の農産素材のヒト介入試験における有効性を明らかにする。
(2) 5年後(2022年)は、上記4種類のうち、いくつかの農産素材による製品の販売を開始する。
(3) 最終的に製品を広く市販することで、認知機能の改善による健康寿命の延長が見込まれる。
4 開発した技術シーズ・知見の実用化により見込まれる波及効果及び国民生活への貢献
(1) 開発する食品の10年後2025年の売上は、国内60億円、国外市場3億円が見込まれる。
(2) (1)の商品の摂取により、脳血管疾患および認知症の罹患率を5割減じたと仮定した場合、介護費用の削減効果は年間148億円と推算される。
(3) 健康寿命を延長する農産素材の製品化と販売により、地域産業の振興と国民の健康訴求に応えた多大な経済効果が見込まれる。
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