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農林水産技術会議

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表面プラズモン共鳴法を利用した食物アレルギー診断技術の開発

年度
2016
ステージ
シーズ創出
分野
食品(食の安全性)
適応地域
全国
キーワード
アレルギー診断、バイオセンサ、表面プラズモン共鳴、細胞分離チップ、1細胞解析
課題番号
26017A
研究グループ
広島大学医歯薬保健学研究院
九州工業大学マイクロ化総合技術センター
研究総括者
広島大学 柳瀬 雄輝
研究タイプ
技術シーズ【若手】
研究期間
平成23年~27年(5年間)
PDF版
表面プラズモン共鳴法を利用した食物アレルギー診断技術の開発(PDF : 932.2KB)

1 研究の背景・目的・目標

食物アレルギーは、食中毒、有害物質の混入とならび食の安心・安全を脅かす要因となっている。
しかしながら、原因となる食物の抗原を低侵襲・迅速・正確に同定する診断法は確立されていない。
そこで本研究では、迅速細胞分離技術と1細胞応答解析技術を利用して、微量の血液から食物アレルギーをはじめとする即時型アレルギーを、迅速・高信頼性に診断することのできる次世代アレルギー診断技術を開発する。

2 研究の内容・主要な成果

(1) 生細胞用応答可視化用表面プラズモン共鳴イメージング(SPR imaging; SPRI)センサを開発し、無標識かつリアルタイムに生きた細胞の刺激応答をモニタリングすることに成功した。

(2) 様々なアレルゲンに対するヒト末梢血由来好塩基球やヒトIgE抗体発現細胞の応答に基づくアレルギー診断法の有用性を確認した。

(3) 微量の血液から目的細胞であるヒト好塩基球を迅速に分離し、かつSPRI解析を1チップ上で行う事のできるマイクロ流体デバイス(SPRI用細胞分離チップ)を開発した。

(4) 刺激に対する細胞の応答を自動で解析できるソフトウェアを組み合わせ、臨床で使用可能なベンチトップ型のアレルギー診断システムを開発した。

公表した主な特許・論文

(1) 特願2013-040589 I型アレルギーの診断装置およびI型アレルギーの診断方法 柳瀬雄輝(広大)、秀道広(広大)、川口智子(広大)、石井香(広大)、坂本憲児(九工大)

(2) Yanase, Y. et al. Evaluation of peripheral blood basophil activation by means of surface plasmon resonance imaging. Biosens Bioelectron. 32(1):62-8 (2012).

3 今後の展開方向、見込まれる波及効果

(1) 患者自身の細胞応答に由来する新しい視点からのアレルギー診断技術を提供できる。

(2) 医療機関へ食品、飲料中の食物アレルゲンを検出する手段を提供する。

4 開発した技術・成果が活用されることによる国民生活への貢献

(1) 低負担、迅速、高信頼性の即時型アレルギー診断を実施することで、アレルギー発症による負担を最小限に抑えることができ、患者自身・家族の生活の質の向上に役立つ。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

広島大学(柳瀬)

TEL 082-257-5237

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