ツバキ油等の安定供給と新需要開拓のための品質特性強化技術の開発
- 課題番号
- 25094C
- 研究グループ
- 長崎大学、長崎県立大学、長崎県工業技術センター、
長崎県農林技術開発センター、新上五島振興公社、
ごとう茶生産組合 - 研究総括者
- 長崎県農林技術開発センター
- 研究タイプ
- 重要施策対応型
- 研究期間
- 平成25年~27年(3年間)
- PDF版
- ツバキ油等の安定供給と新需要開拓のための品質特性強化技術の開発(PDF : 1246.1KB)
1 研究の背景・目的・目標
五島地域のツバキ油の生産量は、東京都(伊豆諸島)と全国1~2位を競っており、ツバキ油は地域の重要な特産物となっている。
五島地域は、平成24年7月に「椿による五島列島活性化特区」に指定され、国からの支援を受けてツバキを活用した様々な地域振興策に向けて取り組むことになった。
本研究は、特区の目標の中で、ツバキ関連地場産業の振興に貢献するためのものである。
2 研究の内容・主要な成果
(1) 深煎り食用ツバキ油の焙煎条件として180℃、10分が最適であることを明らかにした。
(2) ツバキ油の簡便な保存条件として空気遮断、遮光、冷蔵が有効であることを明らかにした。
(3) 新商品として、ハンドオイル用に長崎ラベンダーから抽出した芳香水を添加したツバキ油を開発した。
(4) ツバキ葉と茶葉の比率が1:2のツバキ混合発酵茶葉を開発し、その製造ノウハウを確立した。
(5) 自然林のツバキ実採集時期判断の指標としてヤブガラシ、カラスウリなど8種の野生植物を選定し、収穫マニュアルを作成した。
公表した主な特許・品種・論文
(1)田嶋幸一他.ヤブツバキ種子の充実過程.九州森林研究 (67),93-94(2014)
(2)宮田裕次他.ツバキ葉と茶葉を混合揉捻したツバキ混合発酵茶「五島つばき茶」の製法と機能性.日本食品化学工学会誌63(3),123-129 (2015)
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び取り組み状況
(1) 開発した品質特性別搾油方法を搾油関係者に紹介し、今後、五島での定着を図る。
(2) 開発したツバキ油の長期保存法を搾油関係者に紹介し、ツバキ油の安定供給を図る。
(3) 地元栽培植物の香りを添加したツバキ油製造技術を現地移転した。今後、製品化を図る。
(4) ツバキ葉成分を活用した加工技術を現地移転した。今後、製品化を図る。
4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献
(1) 搾油方法別のツバキ油の機能性成分や色・香りが異なり、化粧品や食用への適性が異なることを科学的に明らかにしたことで、これまで慣れ親しんで使ってきたツバキ油に新たな価値を加えるとともに、国民生活の豊かさの質の向上に貢献する。
(2) ツバキ油の安定供給は、ツバキ油製品を常用する利用者にとって有用な技術となった。
(3) 開発した2つの製品も、嗜好品として、また、機能性製品として国民生活の豊かさを質の向上に貢献する。

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