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画期的WCS用稲「たちすずか」の特性を活かした微細断収穫調製・給与体系の開発実証

年度
2016
ステージ
実用技術
分野
畜産(飼料)
適応地域
西日本、関東、東海
キーワード
イネ、収穫機、ホールクロップサイレージ、バンカーサイロ、たちすずか
課題番号
25073C
研究グループ
農研機構近畿中国四国農業研究センター、岡山大学、
広島県立総合技術研究所畜産技術センター、
株式会社タカキタ
研究総括者
農研機構近畿中国四国農業研究センター 大谷 一郎
研究タイプ
現場ニーズ対応型A
研究期間
平成25年~27年(3年間)
PDF版
画期的WCS用稲「たちすずか」の特性を活かした微細断収穫調製・給与体系の開発実証(PDF : 1122.4KB)

1 研究の背景・目的・目標

長稈・多収で耐倒伏性に優れ、茎葉中の糖含量が高いホールクロップサイレージ(WCS)用稲「たちすずか」の特性を最大限に引き出すため、微細断技術を組み合わせた効率的な収穫調製・給与体系を確立する。
「たちすずか」と微細断技術による収穫、高密度輸送、発酵品質向上により、稲WCS生産費を20%削減し、WCS給与における飼料摂取量及び家畜生産性の向上等により、飼養費用を10%削減する。

2 研究の内容・主要な成果

(1) 長稈のWCS用稲を微細断収穫することが可能な収穫機を開発し、微細断収穫・高密度輸送体系を実証して収穫・調製コストを低減できることを明らかにした。

(2) 乳酸菌製剤(岡山大学が分離した乳酸菌を使用)を利用して、バンカーサイロで稲WCSを高品質に調製する技術を開発した。

(3) 微細断した「たちすずか」WCSの飼料特性を明らかにし、乳用牛および肉用牛への適正な給与方法を実証した。

(4) 新技術体系による集落農業所得の増加、収穫機への投資の可能性を明らかにした。

(5) (1)から(4)の内容をまとめた技術マニュアルを作成した。

公表した主な特許・品種・論文

(1) 特願2015-020767 作物細断装置 北中敬久(株式会社タカキタ)

(2) 特願2015-034626 作物収穫機 北中敬久、福田博(株式会社タカキタ)

(3) 特願2015-168385 収容物の分散化構造 小林優史、中山有二(株式会社タカキタ)、高橋仁康、福間康治(農研機構近畿中国四国農業研究センター)

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び取り組み状況

(1) 長稈対応微細断収穫機について2016年6月に市販を予定している。

(2) 現地検討会を開催して収穫調製作業の実演を行うとともに、研究成果発表会等において成果の発表を行う予定である。

(3) 技術マニュアルを作成し、関係機関に配布するとともに、Web上に公開した
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/280229WCSmanual_1.pdf)。

4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献

(1) 生産コストの低減による価格の安定化、飼料自給率の向上により、輸入飼料価格の変動に左右されない畜産経営と畜産物の安定供給が可能となる。

(2) 水田を活用した飼料生産が拡大し、耕作放棄地の増加に歯止めをかけるほか、中山間地域を含む農村、雇用の創出等地域の活性化への貢献が期待される。

(3) 高品質な国産粗飼料を利用して生産した安全・安心な畜産物を安定した価格で消費者に提供できる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

農研機構

西日本農業研究センター
TEL 084-923-4100

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