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農林水産技術会議

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超多収穫米を利用した高付加価値化加工用米粉原料の生産体系の確立

年度
2018
ステージ
実用技術
分野
食品(食品製造・加工)
適応地域
全国
キーワード
イネ、超多収穫米、玄米全粒粉、食品機能性、高付加価値化
課題番号
27018C
研究グループ
理化学研究所
吉村穀粉株式会社
研究総括者
農研機構次世代作物開発研究センター 鈴木 啓太郎
研究タイプ
現場ニーズ対応型 Aタイプ
研究期間
平成27年~29年(3年間)
PDF版
超多収穫米を利用した高付加価値化加工用米粉原料の生産体系の確立(PDF : 924.9KB)

1 研究の目的・終了時達成目標

発芽玄米全粒粉の製造に適した超多収米を効率的に供給し、消費者の受容性の高いおいしい米粉加工品を開発し、商品化するため、以下を達成目標とする。
(1) 低コスト生産を可能とする超多収・発芽処理好適品種の選定と生産者による生産体系の確立
(2) 玄米全粒利用のさらなる付加価値向上のための発芽玄米粉製造技術の開発
(3) 発芽玄米粉利用率が50%以上で食味が良い米加工品の開発とその加工品用米粉原料の製造技術の確立

2 研究の主要な成果

(1)米加工品の用途に応じた発芽玄米全粒粉用の原料米向け系統・品種として、中アミロース米「オオナリ」、低アミロース米「和3205号」および高アミロース米「和3210号」を選定した。

(2)発芽処理の原料米としての品質を維持し、収量を確保できる栽培の技術的情報および品質情報を整理したマニュアルを策定した。

(3)48時間発芽処理した玄米全粒粉は、GABA、フェルラ酸、食物繊維等の機能性成分を、無処理の玄米に比べて著しく増加させることができ、食品の付加価値を高める発芽処理技術の有効性を明らかにした。

(4)発芽玄米を量産可能な発芽処理技術を確立し、発芽処理、水分調整、製粉、包装までの発芽玄米全粒粉の製造工程を構築した。

(5)発芽玄米全粒粉を利用した、グルテン添加米粉パン(利用率80~100%)、煎餅(利用率70%)、パンケーキ(利用率80%)、和菓子(利用率50~70%)、麺(利用率100%)用の加工用米粉原料を開発した。

公表した主な特許・品種・論文

(1) 研究成果情報イネ品種「オオナリ」育成(H27年12月) (農研機構)

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1)パン用米粉原料および米菓用米粉原料に使用する品種を契約栽培により生産・供給し、試作加工用米粉原料と加工レシピの食品加工事業者への提供を図り、高付加価値化米粉原料の商品化、普及に努める。

(2) 発芽玄米全粒粉の機能性成分の分析を進め、栄養・機能性成分データベースに基づき、機能性表示食品の申請、登録を行い、商品の販売促進に努める。

【今後の開発・普及目標】

(1) 2年後(2019年)には、「オオナリ」の契約栽培により、加工用米粉原料の試験生産を行う。
「和3205号」および「和3210号」は、品種登録と契約栽培の開始を目指す。

(2) 5年後(2022年)には、加工品について機能性表示食品として登録申請する。

(3) 最終的に、成分情報を明示した発芽玄米全粒粉の米粉加工品を開発し、販売、普及を目指す。

4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

(1) 従来にない用途での超多収原料米の活用は、生産者の収益向上と低コストでの原料供給、発芽玄米全粒粉の量産化と高付加価値化、多様な米粉加工品の手頃な価格での提供などへの貢献が期待できる。

(2) 発芽玄米全粒粉の米加工品の販売による普及によって、食品による栄養・機能性成分の効率的な摂取源としての利用が期待でき、超高齢社会における国民の健康維持・機能改善などへの貢献が期待できる。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

農研機構

次世代作物開発研究センター
E-mail:ktaro[at]affrc.go.jp
[at]を@に置き換えてください。
TEL 029-838-8951

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