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農林水産技術会議

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かいよう病Psa3に対して、安心してキウイフルーツ生産を可能とする総合対策技術

年度
2018
ステージ
実用技術
分野
農業(病害虫)
適応地域
全国
キーワード
キウイフルーツ、かいよう病、Psa3系統、診断、防除
課題番号
27008C
研究グループ
農研機構果樹茶部門、静岡大、静岡農林技術研果樹研、和歌山果樹試かき・もも研、香川農試府中果樹研、愛媛農林水産研果樹研、福岡農林試、佐賀果樹試
研究総括者
農研機構果樹茶部門 須崎浩一
研究タイプ
現場ニーズ対応型 Aタイプ
研究期間
平成27年~29年(3年間)
PDF版
かいよう病Psa3に対して、安心してキウイフルーツ生産を可能とする総合対策技術(PDF : 1135.2KB)

1 研究の目的・終了時達成目標

キウイフルーツかいよう病菌Psa3系統に対する防除技術を開発することで、かいよう病の被害をできる限り抑え生産者の不安を取り除くことを目的とする。このため、未発生地への被害被害拡大を防ぐための診断技術開発、発生地において被害を最小限に抑えるための薬剤防除体系開発、再発病を防ぐための被害枝切除法策定、発生地でも経済栽培可能なキウイフルーツ品種等の探索を行い、これら技術を完成させるとともに、成果を取りまとめたマニュアル作成を行うことを達成目標とする。

2 研究の主要な成果

(1) 銅水和剤がかいよう病に対して高い防除効果のあることを明らかにしたとともに、散布時期によっては薬害の出る銅水和剤を補完する資材を探索し、これらを組み合わせることで薬害の少ない防除体系を組み立てた。

(2) 発病したキウイフルーツについては「ヘイワード」では枝切除で治療可能であったが、「レインボーレッド」等の二倍体赤・黄色品種では再発病を繰り返し枝切除による治療は困難であることを明らかにした。

(3) 「類似症状との見分け方チャート」、かいよう病菌と花腐細菌病菌との識別法、LAMP法での診断、選択培地など、かいよう病を迅速に診断可能な技術を開発した。

(4) 国内で栽培可能なキウイフルーツ品種等から、かいよう病発生地においても経済栽培可能な品種を明らかにした。

3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 防除技術、診断技術、経済栽培可能品種等、得られた成果については、かいよう病対策マニュアルとして取りまとめ、産地の状況に合わせたアレンジを加えながら現場に普及する。

(2) 診断技術の一部についてはキット化等を行い、現場でも利用可能とする。

【今後の開発・普及目標】

(1) 2年後(2019年度)は、診断技術の一部についてキット化等を行う。

(2) 5年後(2022年度)は、開発した診断技術を活用して、キウイフルーツ花粉からのかいよう病菌除菌技術を開発する。

(3) 最終的には、かいよう病菌Psa3発生地においても生産者が安心してキウイフルーツ生産を可能とすることを目指す。

4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

(1) 開発した技術・成果が普及することで、かいよう病菌Psa3の影響によって低下したキウイフルーツの生産力を、発生以前の経済規模(約100億円)まで回復する。

(2) 多様なキウイフルーツ品種の生産により生産者の所得が安定する。また、キウイフルーツは食物繊維やビタミンC等の健康機能性成分を豊富に含むため、果実の安定供給により国民の健康増進に貢献する。

この研究成果を活用しませんか?

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

農研機構果樹茶業研究部門ブドウ・カキ研究領域

TEL 0846-45-1260

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