ゲノム育種により有用形質を集積した水稲品種の低コスト生産技術の確立と適地拡大
- 課題番号
- 26038BC
- 研究グループ
- 岩手県農業研究センター、(地独)青森県産業技術センター、
岩手県農業研究センター県北農業研究所、福島県農業総合センター、
沖縄県農業研究センター石垣支所、岩手大学、
岩手生物工学研究センター、岩手県中央農業改良普及センター - 研究総括者
- 岩手県農業研究センター 仲條眞介
- 研究タイプ
- 現場ニーズ対応型 Aタイプ
- 研究期間
- 平成27年~29年(3年間)
- PDF版
- ゲノム育種により有用形質を集積した水稲品種の低コスト生産技術の確立と適地拡大(PDF : 1096.0KB)
1 研究の目的・終了時達成目標
東北地方における高品質水稲の生産性向上と栽培適地の北進化、津波被災地と潮風害常襲地における水稲の被害軽減を目的とし、「ひとめぼれ」に極良食味性、直播適性(初期伸長性、半矮性)、いもち病抵抗性遺伝子を集積した「スーパーひとめぼれ」の形質発現の確認と栽培特性把握、「スーパーひとめぼれ」早生化系統の育成、さらに、品種(早生と晩生)と栽培様式(移植と直播)の組み合わせによる作期分散モデル及び耐塩性品種「Kaijin」の塩害・潮風害耐性を実証する。
2 研究の主要な成果
(1) 「スーパーひとめぼれ」について、集積した4遺伝子(極良食味性、直播適性《初期伸長性、半矮性》、いもち病抵抗性)の導入効果と、東北地域及び沖縄県八重山地域での二期作における栽培の有用性を確認した。
(2) 「高度耐冷性・早生スーパーひとめぼれ」系統を育成し、早生出穂性遺伝子の効果を確認した。
(3)「Kaijin」の土壌塩害と植物体への塩付着に対する抵抗性、八重山地域における二期作適性を確認した。
(4)「スーパひとめぼれ」早生化系統について、東北北部での栽培特性を把握し、品種・系統と栽培様式の組合せによる作期分散モデルを東北中部で現地実証した。
公表した主な特許・品種・論文
(1)藤岡智明他.低アミロース性、耐病性、半矮性および初期伸長性遺伝子を集積した水稲品種「岩手117号」における導入遺伝子の効果と直播適応性.日本作物学会第243回講演要旨集.101(2016)
(2)阿部陽他.慣行栽培における耐塩性水稲品種「Kaijin」の収量性および食味関連理化学特性.日作東北支部会報 59,19-20(2016)
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
(1)「スーパーひとめぼれ」品種・系統群の多収化
(2)「Kaijin」の奨励品種決定調査の開始
【今後の開発・普及目標】
(1) 2年後(2019年度)は、「スーパーひとめぼれ」の多収化ゲノム育種と「Kaijin」の奨励品種決定基本調査の実施。
(2) 5年後(2022年度)に、「Kaijin」の奨励品種決定本試験と現地試験を実施
「スーパーひとめぼれ」多収系統の栽培特性把握を実施
(3) 最終的には、「スーパーひとめぼれ」を多収化した品種と「Kaijin」の普及を目指す。
4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
(1) 収量性を改善した「スーパーひとめぼれ」と耐塩性品種が普及すれば、販売単価向上、低コスト生産、安定生産が実現し、約105億円の経済効果が期待できる。
(2) 本研究の成果により、消費者に食味の優れた主食用米の安定供給に貢献できる。
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岩手県農業研究センター
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