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農林水産技術会議

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【スマート農業 REAL VOICE NO.22】JA長崎せいひ長崎びわ部会(長崎県長崎市):果樹

実証品目:
びわ
実証面積:
150ha

アイキャッチ画像:JA長崎せいひ長崎びわ部会(長崎県長崎市)

農業のなかでも果樹栽培は、傾斜地にあることから、身体への負担が大きいと言われています。また、びわでは、見た目重視の選別が手作業で行われており、味や品質の確保が課題でした。

そこで、長崎県では、びわ栽培にスマート農業を取り入れ、高齢者や障がいのある方、力の弱い方でも作業ができ、質の高いびわを消費者に提供できる農業を目指した実証が始まっています。

(以下話手:森果樹園 森純幸さん)

農業の担い手不足で、スマート農業への期待が高まっている

長崎県の特産であるびわは100年以上の歴史がありますが、高齢化や後継者の減少などで年々生産量が減少しています。

栽培や出荷に関する技術革新が少なく、スマート農業への期待が高まっていました。

写真:森果樹園 森純幸さん
森果樹園
森純幸さん

スマート農機導入で労働時間が大幅に削減、作物の売値も従来の3倍に

ドローンは、生産者が個別に導入するのではなく、防除を請け負う組織が必要だと考えています。このため、私もドローンの講習を受講してオペレーターになりました。

写真:ドローンによる散布の様子ドローンによる散布の様子

写真:スマート選果システムスマート選果システム

ドローンでは、手散布と比較すると、散布時間は1割ほどで防除が完了しました。特にドローンの防除は複数の圃場を1回で散布できるので、防除の請負作業も効率的に実施することが出来るようになります。

また、スマート選果システムを使用して選別した『特選なつたより』は、平均価格の3倍で取引されました。
これまで生産者で行ってきた選別作業は10aあたり35時間ほどかかっていました。しかし、スマート選果システムは従来の選果を省くことが出来るので、労働時間の削減に期待しています。
気象観測についても、産地全体に気象観測装置を設置することで、正確に出荷予測をすることが出来るようになりました。(気象情報から)市場に対して出荷予測の情報提供をすることで、より有利な販売環境を整えることが出来るようになると思います。

障がい者就労施設と連携し、作業の一部を委託することが可能に(農福連携)

農業の現場では人手不足のため、このプロジェクトでは農福連携も進めています。選果業務の一部を、福祉事務所などと連携し、障がいをお持ちの方に業務を委託したりしています。

これまで繋がりがありませんでしたが、プロジェクトの実績から、次年度にはより連携が進展していくと考えています。障害がある方でも、出来ることはありますし、「また来たい」という声を聞けたことが、とても嬉しかったですね。やはり農業の現場で自然に触れ合って、実際に色んなことを感じてもらいたいですよね。

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課 スマート農業実証プロジェクト推進チーム
広報グループ

代表:03-3502-8111(内線5891)
ダイヤルイン:03-3502-7438