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農林水産技術会議

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【スマート農業 REAL VOICE NO.20】 鹿追町ICT研究会 ほか(北海道鹿追町):露地野菜

実証品目:
キャベツ、てん菜、大豆、小豆、小麦、ジャガイモ
実証面積:
143ha

アイキャッチ画像:⿅追町ICT研究会ほか 北海道⿅追町

いま、農業の現場では、後継者の減少や高齢化が進み、農地の管理が限られた農業者に集中しています。広い農地を少ない人数で管理するには、作業の自動化・省力化が欠かせません。でも、スマート農機は高価で、一法人が購入するのが難しいという課題があります。

そこで、北海道の鹿追町では、スマート農機の共同利用を円滑に進めるシェアリングの導入が進められています。一法人あたりの経済的負担を抑えながら自動化・省力化を進め、農家の持続的な生産力の向上を目指します。

スマート農機の共同利用を円滑に進める「シェアリング」

(以下話手:鹿追町農業協同組合 今田伸二さん)

写真:鹿追町農業協同組合 今田伸二さん
鹿追町農業協同組合
今田伸二さん

従来の機械銀行のような仕組みでは、機械を貸すだけで、早い者勝ちになります。生産者同士の共同利用の機械も同じで、同じ日に使いたいので、争いになってしまいます。でも、マシーネンリング(=シェアリング)では、共同利用の機械をコーディネーターが間に立って管理するので、円滑に進めることができます。

いま私たちは、農協職員がコーディネーター役を担って、年ごとに順序を変えながら平等に使用できるようコントロールすることを計画しています。

(以下話手:農事組合法人 西上経営組合 菅原謙二さん)

写真:農事組合法人 西上経営組合 菅原謙二さん
農事組合法人 西上経営組合
菅原謙二さん

1つの経営体が大型の機械を所有するのは厳しいので、JAのような組織が所有し、マネジメントしてくれるのが一番良いのではないかと思います。

スマート農機を地域で効率的に活用して、大規模な農地を少人数で無理なく管理する

(以下話手:鹿追町農業協同組合 今田伸二さん)

スマート農機の活用によって、労働の省力化を行うことができます。たとえば、キャベツ収穫機が自動化されることで、従来6~7人で行っていた収穫作業が2~3人で出来るようになる、つまり、家族経営で完結できる可能性があります。キャベツの作付け面積が昨今停滞していましたが、それを飛躍的に伸ばすことが出来るので、所得向上が可能になってきます。

畑の状態を測定するセンシング技術

(以下話手:農事組合法人 西上経営組合 菅原謙二さん)

センシングをして一番良かったのは自分たちの畑をデータとして知ることが出来る点です。100区画を超えるような当法人の畑では1枚の区画が10haを超えるものもあります。そんななかでは、(従来の土壌診断方法では)全ての畑が同じ土壌診断の値ということにはなりません。私たちの経営体は8戸の生産者が集まって運営しているので、全ての人たちが同じ技術を共有できるのが一番のメリットだったと思います。

センシングをして、畑を知ることから始まって、じゃあ次にどんなことをやっていけば良いかを皆で考えて、同じ技術を共有して、畑の値(地力)を知ることが出来る、このことがまず一番のメリットです。

スマート農業で活躍の場を拡げたい

(以下話手:農事組合法人 西上経営組合 菅原謙二さん)

スマート農業は、絶対に必要不可欠なものになってくると考えています。将来的には北海道全域をまたいで、あちこちで農業をしたいですね。ここにいれば、パソコンがあれば、どの農業の状況も全部わかるようになるでしょう。

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課 スマート農業実証プロジェクト推進チーム
広報グループ

代表:03-3502-8111(内線5891)
ダイヤルイン:03-3502-7438