【スマート農業 REAL VOICE NO.25-(1)】竹ノ原農園ほか(熊本県山都町):実装経営体(水田作)
- 品目:
- 水稲、さといも
スマート農業で作業負荷を軽減し、中山間地の棚田の風景を守っていく
(以下話手:エネルギープロダクト 株式会社 社長室 社長補佐 野口慎吾さん)
山都町は典型的な中山間地域で、山都町全体が、棚田が多い地域です。この棚田地域をスマート農業を使ってどうやって維持・保全していくことができるかという思いをもって、(今回の実証プロジェクトに)取り組みました。

エネルギープロダクト 株式会社
社長室 社長補佐 野口慎吾さん
(以下話手:熊本県立大学 環境共生学部 教授 松添直隆さん)

熊本県立大学 環境共生学部
教授 松添直隆さん
非常に棚田は美しいものです。皆さんが守りたいものであるのですが、一方でその地形によって生産者が苦労されています。特に水管理がたいへんです。生産者は、非常に険しい、あるいは危険な山道を通りながら、中山間地の棚田に入っていくのです。それが、スマートフォンで管理ができるようになることは、すごく画期的なことだと思います。また、データを今回収集できたことは、学術的にも有意義だったと思います。
地域コーディネーターによる受託モデル構築
(以下話手:エネルギープロダクト 株式会社 社長室 社長補佐 野口慎吾さん)
山都町では、参画している経営体の農業者に加え、地域コーディネーターがスマート農機による作業を受託するモデルを構築し、経営効果を検証しています。
2年間の実証期間のうちに初年度はウンカ、2年目はいもち病に見舞われまして、慣行栽培を行っている周辺の農家さんでは3割から4割ぐらいの収量減少がありましたが、私たちは今回の実証事業でドローンを使って実験的な取組みを行ったところ、ウンカ被害は1割減で済みました。いもち病に限っては初期の段階でドローンを飛ばしたことで、いもち病を抑えることができました。
その影響を見られて、今年、周辺の農家さんから「うちの田んぼも撒いてほしい」という要望につながっています。そういう意味で、2年間の実証の結果を我々も実感しましたし、集落の方々もそれを見て「これは使えるのではないだろうか。ただ、自分じゃできないのでお願いします。」という、いい協力関係になり始めていると感じています。
地域コーディネーターによるラジコン草刈機のオペレーション風景
地域コーディネーターのサポートで、チャレンジの敷居を低くする
(以下話手:なかはた農園&バックカントリーラボ 株式会社 代表 中畠由博さん)
私はこれでも若い方の農業者ですが、とは言え、いきなりドローンのオペレーションはできないので、(地域コーディネーターにサポートしてもらうことで)チャレンジの敷居がかなり低くなると思います。
今でも、田植機やコンバインのオペレーターはいましたが、今回のスマート農業実証プロジェクトで導入された、水位のモニタリングによる水管理が一般化してくれば、様々な地域における農地の守り方が提案できると思います。

なかはた農園&バックカントリーラボ 株式会社
代表 中畠由博さん
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究推進課 スマート農業実証プロジェクト推進チーム
広報グループ
代表:03-3502-8111(内線5891)
ダイヤルイン:03-3502-7438