海苔の機能成分を生かした抗メタボリックシンドローム食品の創製
- 課題番号
- 25055C
- 研究グループ
- 水研センター中央水研、慶應義塾大学SFC研究所、(株)ニチモウ、(株)ニュートリション・アクト
- 研究総括者
- 水研センター中央水研 石原 賢司
- 研究タイプ
- 研究成果実用型A
- 研究期間
- 平成25年~27年(3年間)
- PDF版
- 海苔の機能成分を生かした抗メタボリックシンドローム食品の創製(PDF : 914.8KB)
1 研究の背景・目的・目標
海苔は有明海周辺諸県などで広く養殖・生産され、日本食には欠かせない重要な食材である。海苔の生産額は年間約1000億円と、海藻類では最大であり、水産業上も重要な種であるが、海苔養殖業は、色落ちと呼ばれる低品質海苔の発生などの問題点を抱えている。本課題は、機能成分を生かした海苔の利用方途拡大によって海苔養殖業に貢献することを目的としている。
2 研究の内容・主要な成果
(1) 色落ちした生海苔から機能性成分(ポルフィラン、グリセロールガラクトシド)を含むエキスの抽出技術を開発し、実機レベルで試作を行った。
(2) 海苔エキス、および色落ち海苔に含まれる機能成分ポルフィラン、グリセロールガラクトシドについて、マウスを用いて抗メタボリックシンドローム活性を検証し、TGR5系、腸内細菌を介するメカニズムを解明した。
(3) 海苔エキスを用いた各種メニューを試作し、風味やテクスチャーの改善効果、保存性の向上などが見いだされた。
(4) ヒト臨床試験を実施して、メタボリックシンドローム、整腸作用に関して検証を行った。
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び取り組み状況
(1) 海苔エキスの実機生産において実用化するためコストダウンに取り組んでいる。
(2) エキス抽出用色落ち海苔の海苔生産地における一次加工ラインの図面化、価格見積もりを行った。
(3) 実機試作海苔エキスを添加したスムージーを試作し、インターナショナルシーフードショーにて試食を行った。
4 開発した技術・成果が普及することによる国民生活への貢献
(1) 本課題により抗メタボリックシンドローム活性を有する海苔エキスを含有した食品・メニューを開発し、提供することにより、国民の健康増進に資することができる。
(2) 海藻を重要な食材とする日本型食生活の健康に対する寄与の一端が明らかにされることで、国民の日本食に対する認識が高まり、食糧自給率の向上にも資するものと考えられる。
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