侵略的外来種の防除技術の開発
- プロジェクト名
- 野生鳥獣及び病害虫等被害対応技術の開発
- 分野
- 防除
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 水資源機構霞ヶ浦用水管理所、千葉県、福井県立大学、電中研、植調協会、いであ株式会社等
- 研究期間
- 令和元年度~令和5年度
- PDF版
- 侵略的外来種の防除技術の開発
研究概要
水利施設や農地に対して被害が拡大している侵略的外来種(カワヒバリガイ、ナガエツルノゲイトウ、アレチウリ)を対象とした防除技術を開発しました。
これら開発技術の普及により、水利施設の健全な運用や、作物の収量低下を防ぐ効果が期待されます。
研究背景
水利施設や農地に容易に侵入する侵略的外来種は、生息域を拡大して甚大な農業被害をもたらします。例えば、水利施設では、カワヒバリガイが繁殖し、通水阻害を発生させます。また、農地では、ナガエツルノゲイトウやアレチウリが繁茂し、作物の収量低下や収穫作業を妨げるなど農作業の障害となっています。
これらの侵略的外来種による農業被害の拡大を防ぐため、効果的な検知・防除技術の開発に取り組みました。
水利施設のスクリーンに張り付いたカワヒバリガイ
水田にまん延するナガエツルノゲイトウ
主要成果
カワヒバリガイの定着防止に向けた検知技術及び防除技術を開発
➔水路や河川等の水から得た環境DNAを用いた検知技術及び貯水池の落水処理による防除技術を組み合わせた効率的な防除体系を確立
貯水池の落水後におけるカワヒバリガイの生存率の推移
ナガエツルノゲイトウの定着防止に向けて、慣行の防除体系よりも効果の高い除草剤の組み合わせを解明
➔ 発生地である関東以西の水田において、ナガエツルノゲイトウによる被害拡大の防止に貢献
ナガエツルノゲイトウの防除効果が高い除草剤成分の組み合わせ(番号は散布の順番)
高解像度RGBカメラ搭載のドローンで撮影した空中写真の判読により、雑草群落内からアレチウリの分布地点を検知する技術を開発
➔ 除草が必要なエリアを可視化し、効率的な防除を可能にすることで、アレチウリの圃場への侵入防止に貢献
空中写真判読によるアレチウリ群落(赤色)の駆除活動後の生育の抑制状況
より詳細に知りたい方へ向けた参考情報
この研究についてのお問い合わせ先
この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。
農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
TEL:03-6744-2216
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究企画課
担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)