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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成29年度(第13回)業績概要

砂漠化抑制と収量増加をともに実現する省力的技術の開発

受賞者 伊ヶ崎 健大 氏 36歳

国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター 生産環境・畜産領域 研究員

略歴

平成21年度京都大学大学院博士後期課程修了。京都大学研究員、首都大学東京助教を経て、平成26年度より現職。博士(農学)

業績概要

背景

最貧国が連なる西アフリカでは、国連砂漠化対処条約(1994年)の批准後も風や雨による土壌侵食(土壌が削り取られる現象)を主要因とする砂漠化が進行し、深刻な食糧不足の原因となっており、また食糧不足と貧困は若年層のアルカイダ系組織やボコ・ハラムへの参加にも繋がっているとされ、その解決は依然として重要な課題である。

研究内容・成果

土壌侵?による砂漠化メカニズム(図1)
ルーズな砂層の損失による?壌肥沃度の急激な低下であると明らかにした

省力的技術「耕地内休閑システム」(図2)
耕地と休閑地の配置を工夫するだけで、風食(風による土壌侵食)を70%以上抑制でき、かつ作物収量を36%- 81%向上できる技術を開発した



効率的な普及方法
外部者主導の住民参加手法ではなく、住民同士の対話を通じた技術導入が最適であることを 明らかにした

今後の展開
雨による土壌侵食の対策としても有効か検証中である
技術の普及事業に取り組む

期待される社会的インパクト
砂漠化の問題に対処できる
食糧不足の解消に貢献できる
社会情勢の安定化に寄与できる



受賞評価のポイント

西アフリカにおいて、風食による砂漠化のメカニズムを解明しただけでなく、風で運ばれてくる養分を含む土を利用し、増収を実現する「耕地内休閑システム」が現場で利用されている点が高く評価された。

連絡先

国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

住所:〒305-8686 茨城県つくば市大わし1-1

TEL:029-838-6313

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622