悪臭モニタリング技術と畜舎・ふん尿処理施設における臭気対策技術
- プロジェクト名
- 総合的な悪臭低減、臭気拡散防止技術の開発
- 分野
- 畜産
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 宇都宮大学、栃木県、愛知県、(株)中嶋製作所、信州大学、新潟県、東京大学、朝日アグリア(株)、中部エコテック(株)、石川県 等
- 研究期間
- 平成30年度~令和4年度
- PDF版
- 悪臭モニタリング技術と畜舎・ふん尿処理施設における臭気対策技術
研究概要
臭気媒介因子の評価手法や気象条件を加味した悪臭拡散予測モデルを開発するとともに、都市近郊の畜産集中地帯において臭気対策技術の実証を行いました。
また、既存の施設に設置可能な脱臭・臭気拡散抑制技術を開発しました。
開発した技術の普及により、悪臭苦情件数の減少が期待されます。
研究背景
畜産分野では悪臭に関する苦情が絶えません。においは目に見えないため、発生状況や既存の臭気対策技術の効果等の把握が困難であったり、単独の対策技術のみでは、農場から発生する臭気を削減することは困難であるといったことが課題でした。
このため、臭気モニタリング技術を開発し、臭気発生状況を可視化するとともに、既存の臭気対策の効果や、臭気対策の最適管理手法の活用に向けて必要となる要素技術を開発しました。
臭気の可視化技術による臭気計測の様子
臭気が問題となる堆肥化処理施設
主要成果
- 定点での経時的な臭気モニタリング手法を確立
➔ 経時的な臭気の変化を可視化することで、臭気と農場作業とをひも付けし、臭気対策が可能
- ノルマル酢酸(豚舎臭気で主要な悪臭物質)を80%以上除去可能な臭気除去装置を開発
➔ 基本的な悪臭対策と合わせて除去装置を利用することで、豚舎から排出される臭気を大幅に低減可能
臭気除去装置の模式図
- 肉用鶏舎を対象として、換気制御にアンモニア濃度を利用可能な舎内空調自動コントロールシステムを開発
➔ 鶏の成長に伴う畜舎内アンモニア濃度の上昇を抑え、アニマルウェルフェアに配慮した肉用鶏飼育が可能 - 牛ふんを対象として、固液分離、炭素源(廃食油)添加、堆肥脱臭とメタン発酵、消化液散布流量制御(均一散布による液溜まり回避)を組み合わせた総合的な臭気低減技術を開発
➔ 敷地境界における臭気強度を抑えることで、悪臭苦情の低減が期待
研究成果について動画を閲覧したい方へ向けた情報
より詳細に知りたい方へ向けた参考情報
栃木県畜産酪農研究センター作成のマニュアル(栃木県ホームページ)
- 臭気マップ作成マニュアルver2 | 栃木県(外部サイトへ移動)
愛知県農業総合試験場作成の事例集(愛知県ホームページ)
- 農場の臭気を見える化した臭気マップの利用 | 愛知県(外部サイトへ移動)
共同研究機関が開発した製品
- 空調コントローラーKDシリーズ((株)中嶋製作所)(外部サイトへ移動)
この研究についてのお問い合わせ先
この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。
畜産局畜産振興課
TEL:03-6744-2524
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究企画課
担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)