高度米加工技術導入による新たな米加工食品の開発
- 実証地域
- 宮城県
- 分野
- 農業・農村
- 分類
- 個別要素技術型研究
- 代表機関
- (公)宮城大学
- 参画研究機関
- 宮城県産業技術総合センター、宮城県水産技術総合センター、日本蕎麦街道(株)、(株)はつらつ
- 研究実施期間
- 平成24年度~平成26年度
1 研究の背景・課題
- 津波被害を受けた宮城県南沿岸部は耕地面積の8割を水田が占めており、農地復旧を進める一方で、米の消費拡大が課題である。その解決策の一つとして米粉利用があげられる。
- これまで、県内でも米粉利用の様々な取組みが行われてきたが、課題として、製造コストの低減、品質の安定化、用途の拡大があげられる。宮城県では、用途拡大に向けて公設試験場、県内企業、大学が連携して研究を進めてきた。
2 研究の目標
- 水産練り製品・洋菓子において、米粉を原料として使用することで、新規商品開発を行い、小売向け市場の回復を図り、収益率2倍化を目指す。
- 冷凍麺と即席麺の開発を行い、米粉麺の製造コストを低減しつつ、市場拡大による収益率2倍化を目指す。
- 精密な製粉条件を構築し、ニーズに対応した米粉供給体制を確立する。
3 研究の内容
- 低アミロース米粉の特徴を活かした洋菓子開発への実証研究
- アルファ化度を変化させた米粉の特徴を活かした水産練り製品への実証研究
- 高アミロース米粉を用いた製麺物性の適性評価
- 米粉を高配合した乾麺と冷凍麺の開発
- 米原料の特性評価に基づく精密粉砕条件の決定
4 研究成果概要
- 米粉を60℃~80℃で1時間処理すると、マルトトリオースなどの3糖類が低アミロース品種でより増加する傾向が見られた。これにより、しっとり感の付与や老化抑制効果が期待される(図1)。県内企業で試作を実施。
- アミロース含量が低い米粉をすり身に添加することで、ソフトで特徴的な食感の試作品を製造できることを確認した(図2)。県内企業で試作を実施した結果、企画品での利用を検討(糯米利用でコストアップするため)。
- 高品質な乾麺製造のために、配合を最適化し、加熱から乾燥までの連続工程にすることで時間を短縮できた。製造直後の乾麺は、乾燥前の生麺と同様の食感が得られた(図3)。県内企業で試作を実施。
- 簡易加水粉砕方式(粗粉砕+加水+微粉砕)にすることで、デンプン損傷度を10%以下に抑えられることを確認した(図4)。本研究成果をベースに、現在、米粉粉砕受託中。


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問い合わせ先:宮城県産業技術総合センター
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担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
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