未利用資源を活用したバッグカルチャーによる高品質トマト生産技術
- 実証地域
- 宮城県
- 分野
- 農業・農村
- 分類
- 個別要素技術型研究
- 代表機関
- 住友林業(株)筑波研究所
- 参画研究機関
- 千葉大学、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(野菜茶業研究所)、 スミリン農産工業(株)
- 研究実施期間
- 平成24年度~平成26年度
1 研究の背景・課題
本研究は、津波による塩害で土壌の使用が難しい、あるいは地下水が使えない被災地において、極めて低コストで設置が簡単な栽培システムを導入することで、農業の早期復興に貢献することを目的とする。
栽培システム“バッグカルチャー”を元に、未利用資源の肥料化技術、日射量を元にした節水型給液制御技術を組み合わせることで、経済・環境面に優れた栽培システムを構築する。また、高品質トマトの安定的な生産技術を構築することで収益向上に貢献する。
2 研究の目標
- 低コストのバッグカルチャーシステムを開発→従来の養液栽培システム導入コストの50%以下。
- 未利用資源を活用した肥培管理技術を確立→生産したトマトのブランド力向上。
- 日射量を元にした給液制御技術を確立→極めて水分ロスの少ない節水栽培が可能。
- 上記技術を組み合わせ、高品質トマトの安定生産技術を確立→高品質トマトの生産で収益率2倍。
3 研究の内容
- 魚煮汁、カキ殻等の未利用資源を使いトマト栽培が充分可能であることを確認
- 日射量、土壌水分センサーを利用した、トマトに最低限必要な水を供給する給液管理システムの開発
- 宮城県内の生産者に販売開始
4 研究成果概要
- 自動給液栽培システムとして販売体制構築。宮城県を中心に全国販売網で販売推進中。
- 研究では、未利用資源の肥料への活用技術を確立したが、安価な原料の安定調達が困難であることから、未利用資源は利用せず通常の無機肥料を利用した仕様にした。給液制御は、日射計、土壌水分センサーを利用した管理技術を採用(先端プロの研究期間中に特許出願済)。
- 普及状況は宮城県内で9軒の生産者、面積は2,500m2。栽培作物はすべてトマト。通常の養液栽培システムの導入が難しい、小規模の生産者がメイン。
- 普及先の評価は、特にトラブルはなく、評価は全般的に良い。普及先のほとんどは土耕からの切り替えで、これまでの栽培管理が楽になり、収量増よりは品質が良好になり、高単価での販売が可能になっている。例えば、渡辺種苗(宮城県内)が開発したミニトマト品種“プチプヨ”の生産者では、2,000円/kg以上の単価で販売しているとのこと。


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