革新的作業体系を提供するイチゴ・トマトの密植移動栽培システムの研究開発
- 実証地域
- 宮城県
- 分野
- 農業・農村
- 分類
- 個別要素技術型研究
- 代表機関
- 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (生物系特定産業技術研究支援センター)
- 参画研究機関
- 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(野菜茶業研究所)
- 研究実施期間
- 平成24年度~平成26年度
1 研究の背景・課題
イチゴとトマトの密植移動栽培により、単位面積あたりの収量を増加させるとともに、作業体系の変革をもたらす新しい栽培システムを開発する。株あたりの生産コストを考えると、高密植栽培によりハウス建設などのイニシャルコスト及び、暖房や炭酸ガス施肥などのランニングコストの低減が期待できる。
2 研究の目標
- イチゴ栽培において単位面積あたりの収量を倍増する技術体系(3.5t/10a→7t/10a)の確立を 目指す。
- トマト栽培において単位面積あたりの収量を1.5倍増する技術体系(20t/10a→30t/10a)の確立を 目指す。
3 研究の内容
- イチゴの慣行高設栽培の栽植本数は7,000~8,000本/10aである。作業に必要な通路をなくし、栽培ベッドを循環させることで16,000本/10a程度の高密植栽培を実証する(単位面積あたりの収量増)。
- トマト低段栽培の栽植本数は4,500~6,000本/10aである。生育段階に応じて条間を調整する機構を開発することで8,000本/10a程度の高密植栽培を実証する(単位面積あたりの収量増)。
4 研究成果概要
- 山元町の大規模施設園芸研究実証施設に、52台の栽培ベッド等から成るイチゴ循環式移動栽培装置を設置し、連続運転による定植、防除、かん水作業等の栽培実証試験を行った。
- かん水・防除作業の自動化、定植作業の約26%の作業時間短縮を確認した。また移動栽培装置(栽植密度16,667株/10a)および慣行高設栽培(同8,000株/10a)における全収量(平成26年1月~5月)を比較したところ、単位面積当り収量が倍増する見込みが得られた。
- 栽培ベッド間の距離を調節することにより、慣行低段栽培の1.5倍の栽植密度で密植栽培可能なトマト移動栽培装置を開発した。本装置は、ロックウール栽培ベッド、車輪などからなり、生育ステージに合わせて栽培ベッド間の距離をハンドルまたは電動モータで調節できる。実証施設および野菜茶業研究所の2か所で実証栽培試験を行った結果、1作(約4ヶ月)の収量が11~14t/10aとなり10t/10aを超えたことで、年間3作とすると収量が年間30t/10a以上となる見込みが得られた。



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