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農林水産技術会議

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最先端種苗産業確立のための野菜苗生産技術の実証研究

実証地域
福島県
分野
農業・農村
分類
網羅型研究
代表機関
福島県農業総合センター (一社)食品需給研究センター
参画研究機関
パナソニック(株)エコソリューションズ社、(国)茨城大学、(国)宇都宮大学、日本液炭(株)、ナラサキ産業(株)、片倉チッカリン(株)、(独)産業技術総合研究所、日本バイリーン(株)、(株)アステック東京、ベルグアース(株)
研究実施期間
平成25年度~平成29年度
PDF版
最先端種苗産業確立のための野菜苗生産技術の実証研究

研究概要

津波、原子力災害の被災地である福島県浜通り地域は、震災以前から、県内向け種苗供給産地であったことから、地域農業を最先端種苗産業として再発展させることで、雇用対策や地域農業復興の後押しとなることが期待されています。そこで本プロジェクトでは、先端技術を導入して、高付加価値苗、省力化苗、苗生産のリスクマネジメント確立のための実証研究を展開します。

研究目標

  1. ・苗生産の高度化、周年化、効率化による種苗供給産地の再生・復興
  2. ・放射性物質の影響を受けない野菜苗の生産による風評被害の払拭
  3. ・苗生産農家と栽培農家の分業体制に基づく効率的な営農体制の構築
  4. ・高付加価値野菜苗の安定供給による園芸産地の確立

研究内容

1.人工光育苗を用いた高品質野菜苗の実証研究(千葉大学、パナソニック、福島県農業総合センター)

(2)紫外線LEDによるストレス耐性付与の実証研究

閉鎖系苗生産装置において、従来の蛍光灯から生育に効果的な波長を組み合わせたLEDを導入し、 苗の生育効率向上を目指す。また、消費電力の削減効果も併せて実証する。

(1)可視光域LEDを用いた野菜苗の生育制御

ほ場定植後の環境変化にも適応できる能力(ストレス耐性)を備えた苗生産技術を開発する。

2.化学農薬に頼らない病害虫フリー化技術の実証研究( 宇都宮大学、茨城大学、パナソニック、ナラサキ産業、日本液炭、福島県農業総合センター)

(1)高濃度炭酸ガスによる害虫フリー苗の実証

苗の生育悪化やウイルス病の伝搬の原因となる苗の微小害虫を高濃度炭酸ガス処理により防除する技術を開発する。

(2)温湯熱ショック、紫外線照射による病害抵抗性苗の実証

植物の免疫システムの活性化により、病害抵抗性を備えた苗を作ることで、苗生産時の過度な化学合成殺菌剤の使用削減を目指す。

3.最適培地と養水分精密管理(片倉チッカリン、福島県農業総合センター)

(1)添加資材活用による活着促進・生産の安定化のための実証研究

従来の育苗培土に根圏改良微生物資材や生育を活性化させる資材等を添加することで、 安定生産に寄与する苗の育苗法を開発する。

(2)施肥を省力化できる土地利用型野菜苗生産の実証

人工環境制御が可能な閉鎖系苗生産装置を活用し、肥効調節型肥料をセル育苗培土に直接施用することで、定植後の施肥の省力化が可能な土地利用型野菜苗を開発する。

(3)均質な苗生産のための省力的な育苗管理技術の実証研究

育苗において、多くの労働時間を必要とし、苗質に大きく影響する「かん水」について、省力化、苗質の斉一化、水に起因した病害拡大リスクが回避できる方式を標準化する。

4.放射性物質のリスクマネジメント(産業技術総合研究所、バイリーン、アステック東京、ベルグアース、福島県農業総合センター)

(1)水中放射性セシウムの現場迅速モニタリング技術・除去システムに関する実証研究

育苗に使用する水の放射性セシウムをモニタリングする技術および除去する技術を実証する。

(2)育苗における大気・土壌由来の放射性セシウムのモニタリング・除去技術に関する実証研究

栽培施設内外からの土壌・粉塵由来の放射性セシウムの影響を評価し、適切に管理する方法を実証する。

(3)放射性セシウムの移行低減を目的とした育苗環境の最適化に関する実証研究

生産環境、栽培施設からの放射性セシウムが苗に移行する影響を評価し、施設の最適化を実証する。

(4)日常管理における放射性物質安全確認チェックシートの開発およびリスク管理情報を活用した風評対策

(1)(2)(3)で確立されたモニタリング方法、除去方法、育苗環境の最適化を基に、放射性セシウムの苗栽培に対する影響を管理・低減し、風評対策として安全性を担保するためのチェックシートを開発する。

5.苗生産技術の経済性解明と苗生産経営体の経営モデルの構築(福島県農業総合センター)

(1)従前の状況と農業経営体の苗購入志向の把握

被災前後の状況、今後の営農意向等から対象地域で受け入れられる経営形態を検討する。また、苗の需要(購入)側での購入苗の経営的位置付け等を明らかにする。

(2)実証技術導入による生産苗の経済性の評価

実証試験担当農家経営体での野菜苗生産の原価計算等から、苗生産の経済性評価を行う。

(3)実証技術を導入した経営モデルの構築

(1)で把握した対象地域での経営モデルの要件、(2)での生産苗の経済性等から、実証技術を導入した経営モデルを策定する。

研究課題間の連携

関連情報

研究成果

農業・農村
福島県
野菜栽培による農業経営を可能とする生産技術の実証研究

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

問い合わせ先:福島県農業総合センター 企画経営部 企画技術科

住所:〒963-0531 福島県郡山市日和田町高倉字下中道116
TEL:024-958-1700
E-mail:nougyou.jouhou@pref.fukushima.lg.jp

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

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