このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

露地園芸技術の実証研究

実証地域
宮城県
分野
農業・農村
分類
網羅型研究
代表機関
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
参画研究機関
(独法研究機関)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
中央総合農業研究センター、野菜茶業研究所
宮城県農業・園芸総合研究所
秋田県農業試験場
ヤンマー(株)
研究実施期間
平成24年度~平成29年度
PDF版
露地園芸技術の実証研究
  • 土地利用型大規模生産法人の生産体系に野菜を導入し収益向上を図ります
  • 施設園芸を中心とする野菜専作農家へ露地野菜を導入し経営多角化を図ります

研究の概要

被災前は水田農業が主体であった被災地の土地利用型農業の体系において適用可能な露地野 菜を導入し、その先端的栽培技術を被災地域内で実証、体系的な確立を進めます。

(1)省力・低コスト機械化体系の導入による生産性向上、(2)新規品目や作期拡大による収益向上、(3)畑地用地下灌漑システム等の新技術による安定生産等を目指した現地実証を通して、被災地域の園芸生産の一日も早い生産再開を促すだけでなく、当該地域の集落営農組織や土地利用型大規模経営体の経営安定を図りつつ、新しい食料生産モデル基地として再生することを図ります。

1.東北太平洋側に適した品目の導入・作期拡大のための作型・栽培技術の実証研究

(1)耐塩性の強いアスパラガスの導入と安定生産
(東北農研、宮城農園研、秋田農試)

野菜の中でも耐塩性が非常に強く、除塩が完全に済んでいない農地にも導入できる品目として有望なアスパラガスについて、水田農業との作業分散が可能な伏せ込み促成栽培による作期拡大と収益性向上、土の蓄熱作用を活用した半地下栽培による省エネ化、水田における長期どりにおける高畦栽培による湿害の回避、雨よけ栽培による安定化、などについての開発研究と実証を行う。

(2)寒玉系キャベツの周年生産に向けた作型・品種の組み合わせの実証
(宮城農園研)

業務用の加工原材料に適している寒玉系キャベツは、年間を通じた安定供給が実需者から求められている。宮城県において寒玉系キャベツを周年生産するために宮城農園研において実施された寒玉系キャベツの冬~初夏どり作型の開発研究の成果を活用し、需要が増している寒玉キャベツの作期拡大の実証を行う。

(3)加工・業務用ホウレンソウの作型・品種の組み合わせの実証
(宮城農園研)

宮城県においてホウレンソウは、青果市場向け出荷が主体で、加工・業務用への取組はほとんど行われていないのが現状であるが、比較的栽培期間が短く、露地栽培も可能で、他の作物との輪作体系にも組み込みやすいことから、生産組織等が取り組む土地利用型作物としても有望な品目である。秋冬どりに適した作型・品種の検討と現地での実証を行う。

2.東北太平洋側における露地野菜の生産安定・省力・低コスト化のための実証研究

(1)キャベツおよびタマネギにおける機械化体系の実証
(宮城農園研、ヤンマー、東北農研、中央農研)

キャベツについては、全自動乗用移植機と収穫作業の機械化との導入により、軽労化と省力化による低コスト機械化一貫体系を提案するとともに、機械収穫の前提となる生育の斉一化のために、東北農研・中央農研で開発された、うね内部分施用技術を導入し、肥料の効率的施用による生育の斉一化効果を施肥量削減効果とあわせて検討する。タマネギについては、宮城農園研において確立された秋まき機械化体系について、より収益性の高い体系構築を目指して実用性の検証を行う。

(2)畑地用地下灌漑システム(OPSIS)による露地野菜安定生産
(野菜茶研)

畑地用地下灌漑システムOPSISは、水田用のFOEASと異なる発想で開発された畑地灌漑技術であり、これまで本圃において生育を制御する手段がなかった露地野菜において、水管理と生育制御を可能とするツールになりうる。本システムを宮城県平野部用に改良し、いち早く現地実証圃に導入しその有効性を実証する。

(3)リビングマルチを利用した露地野菜の総合的害虫管理(IPM)の実証研究
(宮城農園研)

露地栽培キャベツにリビングマルチ植物を混植することでゴミムシ類など地表性肉食甲虫が増加し、これらが害虫類を捕食することでその密度を減少させ、作物に対する被害を軽減させていること、さらに、障壁効果などによりモンシロチョウの産卵行動が抑制されることを明らかにしており、これらを踏まえ、リビングマルチ利用による露地野菜IPM技術(化学合成殺虫剤50%以上削減)を開発・実証し、施肥方法の改善、農業機械の有効利用などを組み込んだ栽培体系を確立する。

(4)生育予測技術の活用による産地間連携の実現
(中央農研、野菜茶研)

露地野菜の加工・業務用需要を想定した流通現場における周年供給体制を構築するため、産地間連携の相手として、沿岸部との気象条件の異なる県北内陸部を想定し、圃場環境遠隔計測システム(気象観測機器、フィールドルータ、ネットワークカメラ等)を用いた生育モニタリング、生育シミュレーションモデルを用いた生育予測、ならびに圃場作付記録を用いた出荷数量推計システムを組み合わせることで、各産地における端境期の出荷情報の共有と調整を行う技術の開発と、県内における産地間連携の現地実証を行う。

研究目標

キャベツ作における生産コストを慣行栽培の30%減に、アスパラガス作における収益を慣行長期どり栽培の50%増にするなど、ここで紹介した個別品目・技術の積み上げによって経営体全体の経営収支の向上を目指します。そして、省力・低コスト・環境負荷低減型の新たな安定生産技術による土地利用型大規模経営体における高収益型作付メニューの充実、あるいは高収益大規模露地野菜生産団地の新規育成が進展することによって、被災地域の農業復興の一翼を担います。

研究目標

現地実証地までの交通アクセス

(有)耕谷アグリサービス
現地住所:宮城県名取市下増田字耕谷後265-2
■JR利用
仙台駅-「杜せきのした」駅 JR仙台空港アクセス駅(所要時間17分)
「杜せきのした」駅から徒歩25分
■自動車利用
ダイヤモンドシティ・エアリから南東側交差点を南へ直進し二つ目の交差点を左折 東部道路をくぐり、つきあたり

【現地実証地見学申込み】
宮城県農業・園芸総合研究所
Tel:022-383-8118 Fax:022-383-9907
E-mail:mark-kk@pref.miyagi.jp

関連情報

研究成果

農業・農村
宮城県
土地利用型営農技術の実証研究

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

問い合わせ先:(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター

担当者:畑作園芸研究領域 山崎 篤
TEL:019-641-7136
E-mail:yamasaki@affrc.go.jp

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader