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農林水産技術会議

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宮城県南部沿岸地域の水資源・未利用エネルギーを活用した中規模園芸生産システムの技術開発

実証地域
宮城県
分野
農業・農村
分類
個別要素技術型研究
代表機関
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
参画研究機関
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所、宮城県農業・園芸総合研究所、公立大学法人宮城大学、財団法人電力中央研究所
研究実施期間
平成24年度~平成26年度
PDF版
宮城県南部沿岸地域の水資源・未利用エネルギーを活用した中規模園芸生産システムの技術開発

研究の概要

東北地方太平洋沖地震による津波の被害があった地域では、地下水の塩水化が問題となっています。また、震災時の園芸施設では停電や断水、燃油不足等によって環境制御装置や灌水装置が機能しなくなり、園芸作物に甚大な被害が及びました。被災した園芸産地が再生するには、地下水の除塩、省資源、低炭素等の技術を確立する必要があります。

被災前のキュウリハウス

被災後のキュウリハウス

停電の被害を受けたトマトハウス

  • キュウリを生産する温室を対象に、水熱源ヒートポンプ、高圧細霧冷房、循環扇などの工学技術を活用し、施設を周年利用するための高度環境制御技術を開発します(研究実証地:宮城県岩沼市)。
  • イチゴおよびキュウリを生産する温室を対象に、塩水化した地下水を除塩するための農業用逆浸透膜装置を開発します(研究実証地:宮城県岩沼市、亘理郡亘理町)。
  • 宮城県内での現地実証試験を通して、農村地域の水資源および未利用エネルギーを活用した園芸生産システムを確立し、農業生産者の早期復旧・復興を支援します。

先行研究の概要①

震災前のパイプハウス
(ハウスにウォーターカーテンを設置し無暖房でイチゴを生産、灌水には地下水を使用)

津波の被害を受けたパイプハウス
(ハウスが損壊し、室内には漂流物が堆積)

津波の被害を受けた農地は地下水が塩水化したため、地下水を灌水に用いることが困難

地下水が塩水化した地域において、灌漑用の淡水確保のために逆浸透膜の導入試験を実施*
*平成23年度農村工学研究所強化研究費により、宮城県農業・園芸総合研究所と農村工学研究所で共同研究

濃度の高い水溶液に圧力を加えると、逆浸透膜は水分子を浸透し、塩類などの不純物は通過しにくい。

津波の被害を受けたハウスの復旧状況
(平成24年5月8日撮影)

逆浸透膜装置の現地導入試験を実施*
*地下水の中の浮遊物の除去と、膜表面を適宜、フラッシング洗浄する必要がある。

先行研究の概要②

逆浸透膜装置による地下水の除塩技術

実証研究の内容

小課題1. 中規模温室の周年利用化のための高度環境制御技術に関する研究開発

【研究開発の内容】
水熱源ヒートポンプ、高圧細霧冷房、循環扇を組み合わせた高度環境制御技術を開発します。
(農研機構農村工学研究所)

小課題2. 農業用逆浸透(RO)膜装置の性能維持、メンテナンスに関する研究

【研究開発の内容】
農業用逆浸透膜装置を現地導入する際の課題抽出とメンテナンス方法を検討し、膜の性能を最大限に引き出すとともに、膜の寿命を延ばします。
(農研機構食品総合研究所)

小課題3. 農業用逆浸透(RO)膜装置の現地実証試験

【研究開発の内容】
低コスト農業用逆浸透膜装置を開発することにより水道使用量を削減するとともに、装置の設置・使用マニュアルを作成します。
(宮城県農業・園芸総合研究所)

小課題4. キュウリ栽培温室におけるダクトを用いた空気循環設備の最適設計

【研究開発の内容】
温室内の温度・湿度環境を数値シミュレーションおよび実験的手法により解析し、温風ダクトの噴出し流量の不均一性の解消および病害発生の回数を削減します。
(宮城大学)

小課題5. 温熱空気環境の変化に対する植物の応答に関する研究

【研究開発の内容】
現地実証試験地に設置する水熱源ヒートポンプの成績係数(COP)の測定・解析および生産植物の成分分析を明らかにします。
(電力中央研究所)

研究グループ(コンソーシアム)

関連情報

研究成果

農業・農村
宮城県
宮城県南部沿岸地域の水資源・未利用エネルギーを活用した中規模園芸生産システムの技術開発

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

問い合わせ先:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所

担当者:農地基盤工学研究領域農業施設工学担当 石井雅久
TEL:029-838-7655
E-mail:masaisii@affrc.go.jp

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

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