養殖場選定のための微生物学的評価技術
- プロジェクト名
- 微生物学的情報に基づく漁場適性評価技術の開発
- 分野
- 養殖場選定
- 研究代表機関
- 高知大学
- 共同研究機関
- 水産研究・教育機構、北里大学、甲南大学
- 研究期間
- 平成28年度~令和2年度
- PDF版
- 養殖場選定のための微生物学的評価技術
研究概要
海底堆積物中の微生物機能を解明、合理的に養殖場を選定する技術
海底堆積物中の微生物環境を調べることで、その海域の養殖漁場としての適性を評価する技術を開発しました。
赤潮発生の可能性、海底環境の強靱さなど、養殖場として満たすべき微生物学的条件についてのデータを「漁場適性カルテ」として提供することで、より合理的な漁場選定が可能になります。
これにより、次世代の養殖漁場へ豊かな海を継承します。

研究背景
養殖場を作るには大きな投資が必要となるため、現場の漁業者にとって養殖に適した海域の選定は重要です。これまでの研究から、養殖場の適性評価には、有害プランクトンの発生による赤潮や、エサなど有機物の分解等にかかわる海底の微生物環境が重要と考えられます。
このため、本研究では、有害プランクトンの休眠細胞(シスト)など海底堆積物(底質)の微生物環境に着目して、漁場環境としてふさわしい微生物環境を維持するための要件を明らかにし、科学的根拠をもって漁場適性を評価する技術を開発することとしました。

主要成果
- 有害プランクトン等をDNA特異的に検出、解析する技術を開発
➔ 海域毎の赤潮発生の危険性を推し量るデータを提供 - 有害プランクトン等を抑制する寄生生物(ツボカビ類)やベントスを発見、解明
➔ 環境の強靱さを計る鍵となるベントス種等を決定 - 沿岸域寄生生物(ラビリンチュラ類)が微細藻類の分解及びDHA※産生に関与することを解明
(※DHA:ドコサヘキサエン酸、魚類の必須脂肪酸)
➔ 漁場評価パラメータの一項目としてラビリンチュラ類の重要性を新たに証明

より詳細に知りたい方へ向けた参考情報
海洋フォーラムでのパネルディスカッション動画(YouTubeへのリンク)
この研究についてのお問い合わせ先
この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。
農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
TEL:03-6744-2216
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究企画課
担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)
FAX:03-3507-8794