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農林水産技術会議

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京都大学元特定研究員による研究活動上の不正行為(捏造、改ざん)の認定について

基本情報

1.不正行為の種別
捏造、改ざん

2.不正事案の研究分野
生物学

3.調査委員会を設置した機関
京都大学

4.不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名
京都大学大学院理学研究科元特定研究員、教授

5.不正行為と認定された研究が行われた機関
京都大学

6.不正行為と認定された研究が行われた研究期間
平成20年~平成24年

7.研究機関が告発を受理した日
令和5年5月23日

8.調査委員会による本調査の期間
令和5年7月21日~令和6年11月27日

9.調査結果への不服申立てに対する再調査の期間
該当なし

10.農林水産省が調査委員会の調査結果報告書を受理した日
令和8年1月23日

11.不正行為が行われた経費名称
「新農業展開ゲノムプロジェクト」

不正事案の概要等

不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
令和4年5月に研究不正事案として認定された京都大学理学研究科・元特定研究員Lianwei Peng(彭连伟)氏(以下、「Peng元研究員」という。)及び同研究科・教授鹿内 利治氏(以下、「鹿内教授」という。)を被通報者とした通報についての調査(以下、「前回調査」という。)において、研究活動上の不正行為を認定しなかった2編のうち1編の論文について、出版後査読サイトであるPubPeerに、前回調査では確認できなかった画像加工を疑う投稿があった。
令和5年4月下旬にその投稿を知った当該論文の責任著者である鹿内教授が理学研究科に報告し、理学研究科は、当該論文の筆頭著者であるPeng元研究員を被通報者として、「研究活動上の不正行為に関する通報・告発等の受付窓口」に通報を行った。
京都大学は予備調査の上、本調査を行うこととし、調査委員会を設置した。本調査においては、通報のあった論文だけでなく、前回調査で研究活動上の不正行為を認定しなかった2編のうちもう1編も調査対象論文とし、本調査の結果、捏造及び改ざんが行われたと認定した。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会による調査体制
1)部局調査委員会
名称:京都大学理学研究科研究公正調査委員会(令和5年7月10日設置)
6名(内部委員3名、外部委員3名)
2)本部調査委員会
名称:京都大学研究公正調査委員会(常設)
12名(内部委員6名、外部委員6名)

(2)調査対象および調査方法
1)調査対象
調査対象者:京都大学大学院理学研究科元特定研究員、教授
調査対象論文:7編(海外の学術誌:2008年(1編)、2009年(1編)、2010年(1編)、2011年(3編)、2012年(1編))
2)調査方法
本調査において、不自然な画像加工が疑われる箇所の洗い出しを行った上で、論文掲載図とその作成に使用された画像生データの突合作業を網羅的に実施し、画像加工の有無を検証した。併せて、聞き取り調査を実施した。

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
(結論)
1)認定した不正行為の種別
捏造、改ざん
2)「不正行為に関与した者」として認定した者
京都大学大学院理学研究科元特定研究員
3)「不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者」として認定した者
京都大学大学院理学研究科教授
(認定理由)
元特定研究員は、調査対象論文7編のうち2編において、合計11の図に不正な捏造・改ざん(特定不正行為)を行ったと認定した。さらに、再調査を行った論文5編のうち3編においても、前回調査では見つからなかった、計5点の新たな研究活動上の不正行為が認定した。教授は、不正行為には関与していないが、論文の責任著者として各論文の全体に責任を負う立場であったことを踏まえ、不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者として認定した。
(当該論文の共著者の関与について)
調査対象論文の元特定研究員以外の共著者については、不正行為があった論文の図の作成への関与は認められず、不正行為には関与していなかった。

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
新農業展開ゲノムプロジェクトによる研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。

研究機関が行った措置

1.論文の取扱い
不正が認定された論文5編のうち2編については、撤回勧告を行う予定。3編については前回調査時に撤回勧告を行っており、うち2編は撤回済み。

2.被認定者に対する研究機関の対応
Peng元研究員は既に大学を退職して5年以上経過していることから、大学就業規則に基づく処分の対象ではない。鹿内教授は既に前回の調査結果に基づき、責任著者としての責務を果たしていなかったことに対する処分を行っている。

発生要因及び研究機関の再発防止策

1.発生要因

  • 元特定研究員は、図の見栄えをよくするために、画像処理ソフトを用いて画像データの加工処理を行うことや、結果が同じであれば、別々の実験の画像を組み合わせて1点の図とすることも悪いこととは思っていなかったと前回調査と同様の証言をしている。また、研究データの適正な管理に関する認識や、研究データの適正・公正な使用方法に関する認識が欠如していた。
  • 責任著者である教授は、元特定研究員の研究能力の高さ、資質について全面的に信頼を置いており、不正行為が行われる可能性について念頭になく、論文作成の過程で、元特定研究員が作成した論文の図を生データと比較して確認していなかったことから、不正行為を防ぐことができなかった。
  • 研究を主導する監督者として責任を負う立場にあった教授が、元特定研究員に対する研究倫理指導を怠り、研究活動を十分に把握し管理することができていなかった。

2.再発防止策
(1)京都大学大学院理学研究科における再発防止策
(ア) 組織体制の強化と責任の明確化
(イ) 令和2年度より、研究公正部局責任者を補助し、企画立案・啓発を担う「副研究公正部局責任者」を設置。全専攻長との定期的なミーティングにより各専攻内での取り組み状況の報告を求めている。
(ウ) 大学院生への規範教育の徹底
大学院共通科目「研究倫理・研究公正(理工系)または(生命系)」の受講を、ガイダンス等を通じて強く推奨することに加え、指導教員による、論文作成時の責任著者と共著者の役割を含む規範教育、及び対面での研究公正チュートリアルを実施。
(エ) 研究公正に関する理解の促進に向けた教職員への周知・啓発活動
  a.研究公正e- Learningの受講や剽窃チェックツールの利用を継続的に周知。
  b.「研究公正パンフレット」及び「研究データ保存パンフレット」を、新規採用教員やすべての授業担当教員へ配布。
(オ) 人事選考及び着任時のチェック体制の強化
教員人事選考において、前職での研究倫理教育(研究公正研修)の受講状況確認を必須化し、新規採用者には、着任後1ヶ月以内に本学の研究公正e- Learningを受講させることを徹底。
(カ) 外部専門家による知見の導入
学外講師による研究公正研修を実施。

(2)全学的な再発防止策
(ア) ガイダンスでの学生への「公正な学術活動」の啓発(学部・大学院入学時や卒業年度の学生等に対する公正な学術活動の教育)
(イ) 授業中の学術マナー教育(教員による適切な引用等の模範の提示、学術研究の統一的な理解と責任感・謙虚さを伴った発表に関する指導、剽窃等の不正の根絶に向けた指導等)
(ウ) 大学院生への論文執筆教育(論文執筆前までに対面によるチュートリアルを実施、剽窃チェックツールを利用した適切な表示による引用の指導や研究の独自性の確認等)
(エ) 教員への対応(e-Learning等による研究公正に関する研修の受講義務づけ、研究公正パンフレット(日・英・中)の改訂・配布を通じた研究公正に関する理解の促進、剽窃チェックツールの利用促進等)
(オ) 研究データ保存(研究データ保存に係るルールの周知徹底、研究データ保存パンフレット(日・英・中)の改訂・配布を通じた研究データ保存・管理の必要性・重要性に関する理解の促進等)
(カ) 環境の整備(啓発・教育資料の作成及び提供、部局における研究データの保存に責任を負う部局長に対する講習等を通じた研究データの適切な保存に係る体制強化等)
(キ) 大学院生へのチュートリアルを実施する指導教員に対して、研究データの取扱いや筆頭著者、責任著者、共著者の役割などの内容を含む論文執筆教育の実施を徹底し、加えてその実施状況及び実施内容に対するモニタリングを実施(無作為の抽出による指導教員及び大学院生に対するヒアリング等の実施)
(ク) 研究データの保存に関するより実効性のある新たな対策として、部局の特性に応じたサンプリングによるモニタリングの実施
(ケ) 画像の不自然な切り貼りや重複の検出が可能な画像不正チェックツールの新たな導入の検討

農林水産省が行う措置について

1.措置の対象者
鹿内 利治(京都大学大学院理学研究科 教授)
Lianwei Peng(彭连伟)(京都大学大学院理学研究科 元特定研究員)

2.措置の内容
【研究資金を配分しない期間】
鹿内 利治(京都大学大学院理学研究科 教授)
令和5年度の1年間、農林水産省が配分する研究資金を交付しないこととする。
Lianwei Peng(彭连伟)(京都大学大学院理学研究科 元特定研究員)
令和5年度から令和9年度の5年間、農林水産省が配分する研究資金を交付しないこととする。


最終更新日:

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究企画課

担当者:企画班
ダイヤルイン:03-3502-4609