第198回農林交流センターワークショップ
栽培試験における気温の観測技法と利用
趣旨
近年、農業の現場では夏期の異常高温などにより生じる農作物の生育障害への対応を迫られており、気温を正確に把握する必要性が増しています。しかし、不適切な方法で観測・収集された気温データを説明変数として栽培データの解析を行えば、得られる結果の汎用性が失われたり、誤った解釈を導いたりしかねません。そこで本ワークショップは、気象を専門としない農業関連の研究者や技術者を対象として、作物が栽培される環境において気温を正しく観測して利用するために必要な一連の知識と技法を総合的に習得できる機会を提供します。
圃場や温室のように強い日射にさらされる環境において気温を観測するには、日射熱がセンサーに及ぼす影響を遮るために強制通風式の放射除けの使用が必須です。そこで、参加者は農環研が開発した安価で自作可能な強制通風筒「NIAES-09S(改)」をそれぞれ製作します。続いて、それらを圃場に設置して気温と湿度の観測を行い、観測条件の違いによって得られる値にどのような変化が生じるのかを確認しながら、より正確な観測値を得るための観測技法を実地に習得します。なお、本ワークショップで製作した強制通風筒は持ち帰れますので、現場ですぐに役立てていただく事ができます。
また、気温観測の理論、気象データのまとめ方、植物体温と気温との違い、面的な気象分布を推定したメッシュ気象値の利用方法と注意点、農耕地で観測される気温とAMeDASのそれとの違いなどを、それぞれ講義や実習により解説します。
開催日時 |
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開催場所 |
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対象 |
産学官の試験研究機関の研究者、農業関連の技術者 実習内容は受講者が下記のスキルを備えていることを前提としています。
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コーディネーター |
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定員 |
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参加費 |
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交通費・宿泊費 |
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その他 |
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講義と実習内容
2016年6月8日(水曜日)
08時45分-08時50分 | 【挨拶】農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センター コーディネーション推進課長 池田仁 |
08時50分-09時20分 | 【講義】「NIAES-09S型強制通風筒の紹介」農業環境変動研究センター 福岡峰彦 |
09時20分-15時20分 | 【屋内実習】「NIAES-09S型強制通風筒の製作」福岡峰彦 |
15時30分-17時00分 | 【屋外実習】「測器の設置」農業環境変動研究センター 福岡峰彦・吉本真由美 |
2016年6月9日(木曜日)
08時30分-09時50分 | 【講義】「気温・湿度観測の理論と注意点」農業環境変動研究センター 桑形恒男 |
09時55分-11時15分 | 【講義】「作物栽培試験における気温・湿度の観測技法」福岡峰彦 |
11時20分-12時00分 | 【講義】「植物の体温はどのようにして決まるのか」吉本真由美 |
13時00分-14時20分 | 【講義・屋内実習】「メッシュ気象値の利用方法と注意点」農業環境変動研究センター 石郷岡康史 |
14時25分-14時55分 | 【講義】「農耕地の気温はAMeDASの気温とどう違うのか」桑形恒男 |
15時00分-15時20分 | 【講義】「産学官連携における活用事例の紹介」花き野菜研究部門 牛尾亜由子 |
15時20分-16時00分 | 【ライトニングトーク】「受講者が取り組んでいる課題の紹介」 |
16時10分-16時30分 | 【屋外実習】「総合気象観測装置の見学(農環研気象観測露場)」桑形恒男 |
16時30分-17時00分 | 【屋外実習】「測器の撤収」福岡峰彦・吉本真由美 |
2016年6月10日(金曜日)
08時30分-09時50分 | 【講義・屋内実習】「気象観測データのまとめ方」石郷岡康史 |
09時35分-15時00分 | 【屋内実習】「観測データの解析」福岡峰彦 |
15時00分-16時10分 | 【発表】「解析結果の発表と考察」 |
16時10分-16時30分 | 【質疑】「質疑討論」桑形恒男、吉本真由美、石郷岡康史、福岡峰彦 |
お問合せ先
農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課
電話:029-838-7136 メール:
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