配信例「食と農の研究メールマガジン」 第449号(2025年12月1日号)
目次
- 退緑黄化病抵抗性メロン「アールスアポロン」シリーズ(4品種)
- 「2025国際ロボット展」におけるブース展示及びパネルディスカッションについて
- よくある知財の悩みに対する弁護士の助言を、QA方式で配信中!
- AIとICP分析の融合による次世代型土壌診断技術を開発
- 「未来茶業・有機茶研究会」Web勉強会開催のお知らせ
- 農研機構、ディジョンメトロポール(フランス)、ヴィタゴラが「美食と健康」及び「発酵」の分野で包括連携協定(MOU)を締結
- 乾田直播栽培技術標準作業手順書 新たな地域版6編を公開
- トマトの下葉処理を自動化するロボットを開発
- 鋼材によるため池堤体補強工法の設計手順や施工方法を解説したマニュアルを公開
- ブロッコリーの大型花蕾生産技術で労働生産性の向上を実証
- 生物の進化を島が支える
- 宍粟市指定天然記念物「御形神社のショウフクジザクラ」の里帰り
3)令和6年能登半島地震における農業被害の復旧・復興からの参考技術情報
1)トピックス
- 退緑黄化病抵抗性メロン「アールスアポロン」シリーズ(4品種)
「みどり戦略技術紹介」では、毎月、環境負荷の低減に取り組む農業者の皆様に役立つ技術をご紹介しています。
メロン産地では近年、退緑黄化病が発生し大きな問題となっています。この度、退緑黄化病に抵抗性があり、果肉が緑色で、果皮にネットがあるアールス系メロン「アールスアポロン」シリーズ(4品種)が開発されました。4つの品種でさまざまな作型・収穫時期に対応できます。また退緑黄化病に感染しても果実重や糖度が低下しにくく、被害の軽減が期待されます。 本技術の詳しい情報については、みどり技術カタログをご覧ください。
[農林水産省]「みどりの食料システム戦略」技術カタログ(分割版:露地野菜)(PDF:7,798KB)p.26
退緑黄化病抵抗性メロン「アールスアポロン」シリーズ4品種(農林水産省Web)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/03_midori_catalog5_vege.pdf#page=26
「みどりの食料システム戦略」技術カタログ(農林水産省Web)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/catalog.html
- 「2025国際ロボット展」におけるブース展示及びパネルディスカッションについて
農林水産省は2025年12月3日から6日に東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」に出展し、メーカーや研究機関の協力のもと、最新の農業用ロボットについて実物やパネルのブース展示を行います。また、12月4日には研究者、技術者、農業者が集い、パネルディスカッションを行います。皆様のご来場をお待ちしております。
場所:東京ビッグサイト
費用:以下公式HPからの事前登録により入場無料
事前登録はこちらから
https://irex.nikkan.co.jp
[農林水産省]
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo03/251128.html
- (メルマガのご案内)よくある知財の悩みに対する弁護士の助言を、QA方式で配信中!
農林水産省では、研究機関によくある知財の悩みと、それに対する弁護士の助言をQA方式で紹介する「農林水産研究知財ネットワーク通信」を配信しています。12月からは、「商標と種苗の名称を同じにして出願してしまった!」、「出願前に試験研究目的で種苗を譲渡したが、契約書等が残ってない!」等の事例を紹介予定です。
弁護士の助言が気になる方は、下記リンクから配信登録をお願いします。バックナンバーもぜひご覧ください。
[農林水産技術会議事務局]
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/chizai/mailmagazine.html
- (研究成果)AIとICP分析の融合による次世代型土壌診断技術を開発
― 全波長スペクトルで幅広い土壌特性を一括・高精度で予測 ―
国際農研は、AIを活用し、ICP分析で得られる全波長データから土壌の多項目特性を同時に高精度で推定できる新しい診断技術を開発しました。アジア・アフリカなど7か国・約2,000サンプルを用いて深層学習モデルを構築し、CEC、交換性塩基、pH、可給態リン、炭素・窒素、粒径など12項目を一括して高精度に予測可能です。時間とコストを大幅に削減し、迅速な結果提供が可能となるこの技術は、開発途上地域でも活用できる汎用性を備え、持続可能な農業の推進や食料安全保障の向上に貢献することが期待されています。
[国際農研]
https://www.jircas.go.jp/ja/release/2025/press202520
- 「未来茶業・有機茶研究会」Web勉強会開催のお知らせ
有機栽培茶のニーズが国内外で高まる中、茶の有機栽培の拡大が必要とされます。
その反面、雑草対策、病害虫対策や施肥時期の判断など、技術的課題が山積しています。
そこで、「知」の集積と活用の場「未来茶業」研究開発プラットフォームでは、「未来茶業・有機茶研究会」を立ち上げ、本年度は有機栽培技術の普及に資するWeb勉強会を4回開催します。
茶の有機栽培にご興味のある方、取組を希望される方のご参加を歓迎します。
[農研機構]
https://www.naro.go.jp/event/list/2025/11/172672.html
- (お知らせ) 農研機構、ディジョンメトロポール(フランス)、ヴィタゴラが「美食と健康」及び「発酵」の分野で包括連携協定(MOU)を締結
農研機構、ディジョンメトロポール、ヴィタゴラの3者は、日仏両国の食文化の核である「美食と健康」、「発酵」の分野でMOUを締結しました。
これらの3機関が連携しシナジー効果を発揮することで、日仏両国において、「食によるウェルビーイングの向上」を通じた「食産業の成長」と「地域経済の発展」を目指します。
[農研機構][ディジョンメトロポール][ヴィタゴラ]
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/naro/172599.html
- (お知らせ)乾田直播栽培技術標準作業手順書 新たな地域版6編を公開
農研機構は、東北地方における水稲乾田直播栽培技術のさらなる普及を目的として、新たに乾田直播栽培技術標準作業手順書「宮城県石巻地域」、「宮城県大崎地域」、「宮城県美里・涌谷・大崎(鹿島台・松山・田尻等)地域」、「岩手県花北・奥州地域」、「秋田県大潟村」、「山形県庄内地域」をウェブサイトで公開しました。
これらは、各地域に特有の気象・土壌条件や経営体が保有する機械に合わせて水稲乾田直播栽培技術をまとめたものです。
[農研機構]
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/171169.html
- (研究成果) トマトの下葉処理を自動化するロボットを開発
- エンドエフェクタの交換で収穫への応用にも期待 -
農研機構は、トマトの下葉処理を自動で行うロボットを開発しました。下葉処理は、長段栽培での管理作業の中でも特に労力を要する作業であり、管理作業時間の3分の1を占めることから、収穫作業に次いで自動化が求められています。開発したロボットは、ロボットアームに装着した専用のエンドエフェクタで不要な葉を自動的に刈り取ることができます。これにより、人件費や作業時間など、総コストの3割を占める労働負担の軽減が期待されます。
[農研機構]
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/172523.html
- (お知らせ) 鋼材によるため池堤体補強工法の設計手順や施工方法を解説したマニュアルを公開
農研機構は、高知大学、日本製鉄株式会社および株式会社エイト日本技術開発との共同研究の成果をとりまとめ、「鋼材によるため池堤体補強工法設計・施工マニュアル」を2025年11月14日ウェブサイトで公開しました。
このマニュアルは、鋼矢板や鋼管をため池の堤体内に打設して堤体の遮水性能や耐震性能を向上させる工法について、設計手順および施工方法等を一般化しています。
このマニュアルを使用することで、効率的に「鋼矢板二重式工法」の設計・施工が可能となります。
[農研機構][高知大学]
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/172405.html
- (研究成果) ブロッコリーの大型花蕾生産技術で労働生産性の向上を実証
- 加工・業務用ブロッコリーの国産化を後押し -
農研機構は、加工・業務用ブロッコリーの「大型花蕾生産技術」に適した品種を作型別に選定し、関東以西の主な産地7県において栽培試験を行いました。その結果、全国平均の約3倍の収量が得られることを確認しました。さらに、ほ場内の収穫可能な全てのブロッコリーを一斉に収穫することで、総労働時間を半減できることも明らかにしました。
また、本技術の作業手順をまとめた「ブロッコリー大型花蕾生産技術標準作業手順書(SOP)」を公開しました。本技術を全国に普及することにより、輸入品に依存している加工・業務用ブロッコリーの国産化が進み、国内農業の振興と食料自給率の向上に貢献することが期待されます。
[農研機構]
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/172472.html
- 生物の進化を島が支える -シマクイナが明かす、日本列島が大陸集団の存続を支える仕組み-
森林総合研究所、北海道大学、国立環境研究所、千葉県立中央博物館を含む国際研究グループは、ユーラシア大陸東部と日本の湿地に生息する絶滅危惧種「シマクイナ」の進化の歴史を解明し、日本列島の集団が大陸の集団の進化に重要な役割を果たしたことを明らかにしました。
[森林研究・整備機構] [北海道大学] [国立環境研究所] [千葉県立中央博物館]
https://www.ffpri.go.jp/press/2025/20251118/index.html
- 宍粟市指定天然記念物「御形神社のショウフクジザクラ」の里帰り
-林木遺伝子銀行110番による巨樹・名木等のクローン増殖の取組-
御形神社(兵庫県宍粟市)にある兵庫県固有種ショウフクジザクラの後継樹の苗木が、森林総合研究所林木育種センター関西育種場から里帰りします。
[森林研究・整備機構]
https://www.ffpri.go.jp/kaniku/documents/mikatajinja.pdf
2)イベント等
- 2025年12月19日(金曜日)13時から18時まで、20日(土曜日) 10時から15時まで
「農研機構アグリ・フードイノベーションフェア」
ミニシンポジウム「食料安全保障を支える技術開発」(19日13時から16時まで、事前申込制)、成果展示会・メカロン実演(両日)、10ミニッツセミナー(20日)などを実施します。
アンケートやクイズに答えるとお土産あり(数量限定)!ぜひご参加ください。
場所:東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)
参加費:無料
[農研機構]
https://www.naro.go.jp/event/agri_food_inovation_fair/index.html
- 2026年1月22日(木曜日)13時15分から15時00分まで
森林講座 日本へとつながるアジア大陸の人類移動、氷河期の森林拡大が要因だった
シベリアでは氷河期に起きた森林拡大が現生人類の移動を促したことがわかりました。約3.8万年前に起きた日本列島への人類移動と関連付けて解説します。
場所:森林総合研究所多摩森林科学園 森の科学館2階(東京都八王子市廿里町1833-81)
定員:先着順30名
費用:無料(ただし、森林講座が行われる森の科学館以外を見学される場合は入園料が必要です。)
申込方法:往復はがき、または電子メール shinrinkouza@ffpri.go.jp で12月1日(月曜日)から受付開始
[森林研究・整備機構]
https://www.ffpri.go.jp/tmk/kengakuannai/event/shinrinkouza/2025kouza.html
- 2025年12月18日(木曜日)13時00分から16時30分まで
農林水産技術会議委託プロジェクト研究「管理優先度の高い森林の抽出と管理技術の開発」成果報告会
森林経営管理制度に基づき、所有者に代わり民有林を管理する市町村の負担が増えています。中でも、林業経営に適さない森林は市町村が自ら管理するものとなり、その取扱いや優先順位付けの判断が難しいところです。
私たちは、森林経営管理制度を運用する市町村の意思決定を支援するために、手入れ不足の森林を抽出し、生育状況や災害危険度を評価して、管理方法と優先度を示す一連の技術を開発しました。
場所:星稜会館(東京都千代田区永田町2-16-2)および オンライン
費用:無料
申込方法:「管理優先度の高い森林」成果報告会 参加申込みフォームよりお申し込みください。
https://forms.cloud.microsoft/r/NqWqHZ5GZ7(外部サイトへリンク)
[森林研究・整備機構]
https://www.ffpri.go.jp/event/2025/20251218presentation/index.html
3)令和6年能登半島地震における農業被害の 復旧・復興からの参考技術情報
- 令和6年能登半島地震における農業被害の 復旧・復興からの参考技術情報(農研機構)
https://www.naro.go.jp/disaster/ishikawa202401/index.html
4)刊行物等
- 動画配信
「雑草を診る~作物栽培と雑草防除の基礎~」
[農研機構]
https://youtu.be/KVbiaXsF65U
- 森林総合研究所林木育種センター、森林総合研究所森林バイオ研究センター 年報 令和7年版 2025年報
[森林研究・整備機構]
https://www.ffpri.go.jp/ftbc/business/issue/nenpou/2025/2025.html
【ご案内】
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https://www.maff.go.jp/j/pr/e-mag/chg.html
メールマガジンへのご意見・ご要望をお寄せください
https://www.maff.go.jp/j/apply/index.html
農林水産分野の研究機関へのリンク
https://www.affrc.maff.go.jp/koho/kikan.htm
【編集発行】
〒100-8950東京都千代田区霞が関1-2-1
農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究企画課
TEL:03-3502-7407
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究企画課
担当者:戦略的実装班
代表:03-3502-8111(内線5847)
ダイヤルイン:03-3502-7406




