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農林水産技術会議

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トマト低段栽培による高品質果実生産

実証地域
宮城県
分野
農業・農村
研究実施期間
平成23年度~平成29年度
PDF版
トマト低段栽培による高品質果実生産

技術の概要

トマトの年間多収生産には、高軒高ハウスによる長期多段栽培が適している。しかし、付加価値の高い高糖度あるいは良食味の果実を安定して生産するには適していない。一方、低段栽培では、茎葉の生長と果実肥大をある程度分離でき、塩類ストレス付加による高糖度あるいは良食味トマト生産を行いやすい。

<栽培方法の概略> 技術実証ハウスでは圃場を3区画に分割し、定植・収穫・片付けを繰り返し、普通糖度トマト生産では年間30t/10aを達成した。苗は閉鎖型育苗施設を利用し(21日)、夏期以外は2次育苗をする(10~14日)。栽植密度は5株/m2とし、第1~第3果房の収穫を基本とする。高糖度トマト生産では、培養液は定植時には給液ECを1.0dS/mとし、第1花房開花期からNaClを徐々に添加して第3果房着果頃にEC5~7dS/mとする。排液率を10%~30%として、1日250ml/株(冬)~1000ml/株(夏)を給液する。CO2濃度は天窓閉時800ppm、天窓開時400ppmとする。

高糖度・良食味トマトの生産体系では、年間の商品果収量は約15t/10aで、Brix6~7%の果実割合が42%、7~8 %が24%、8 %以上が11%、6 %以下が23%となった(図1)。果実糖度は開花から収穫日までの廃液EC値と強い相関があり、日ごとの廃液ECの合計値から果実糖度は予測できる(図2) 。なお、高温期(7,8月)に定植する作型では、果実が早く成熟するので、果実糖度を7%以上に上げるのは困難で、可販果収量も減少した。

図1定植日の違いが糖度別収量に及ぼす影響

図2 開花~収穫まで廃液EC値の合計と果実糖度の関係(品種桃太郎はるか)

期待される効果

15t/10aの場合の粗収益は約821万円で、経営費714万円(うち償却費(341万円)、雇用労働費(750×2000h=150万円)、農業所得107万円(いずれも1000m2あたり)

関連情報

研究成果

農業・農村
宮城県
施設園芸栽培の省力化・高品質化実証研究

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

問い合わせ先:農研機構 野菜花き研究部門

TEL:029-838-6575

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究推進課

担当者:先端技術実証班 豊井、宮垣、上田
代表:03-3502-8111(内線5897)
ダイヤルイン:03-3502-7462
FAX番号:03-3593-2209

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