イチゴ高設栽培の収量増加と病害抑制に効果のある新技術ークラウン(株元)温度制御とUV-B電球型蛍光灯ー
- 実証地域
- 宮城県
- 分野
- 農業・農村
- 研究実施期間
- 平成23年度~平成29年度
- PDF版
- イチゴ高設栽培の収量増加と病害抑制に効果のある新技術ークラウン(株元)温度制御とUV-B電球型蛍光灯ー
技術の概要
東日本大震災の津波により大きな被害を受けたイチゴ産地(宮城県亘理町,山元町)の復興支援を目的として、イチゴ高設栽培の収量増加と病害抑制に効果のある新技術の体系化に取り組み、クラウン温度制御により1作の収量で7~8t/10aを実現し、UV-B電球型蛍光灯の効果を実証した。
クラウン温度制御はクラウン部の温度を、20℃前後に維持することにより、高温期は花芽分化を促進し、低温期は草勢を維持することにより、収量を増加する技術である。2013~2016年までの4作で、さまざまな定植時期を設定して栽培試験を実施した。クラウン温度制御により平均で1.16倍の収量増加効果があり、特に8月下旬定植の場合には1.26~1.55倍となった。
イチゴの株に紫外線(UV-B)を照射すると、うどんこ病の発生を抑制できる。 UV-Bの照射蛍光灯として、蛍光灯型よりも廉価な電球型を設置して、毎日3時間照射しその効果を確認したところ、防除価は84.3% となり、高い防除効果が示された。

図1 クラウン温度制御が収量に及ぼす影響(2016、品種‘もういっこ’夜間暖房機設定温度5℃)、日中天窓設定30℃、日中CO2濃度、1000ppm目標)
表1 UV-B電球型蛍光灯が、うどんこ病の発生におよぼす影響


クラウン温度制御用温・冷水循環チューブ(茶色)

UV-B電球型蛍光灯
期待される効果
- クラウン温度制御の年間コストは35万円/ 1000m2(導入コスト年間21万円(設備費130万円を6年償却)、電力料金は約14万円/年)となり、収量増加分による売り上げの増加は110万円と見込まれる。
- UV-B電球型蛍光灯の年間コストは約15万円/ 1000m2(導入コスト年間12万円(設備費60万円、寿命5年)、電力料金は約3万円/年)となり、うどんこ病による廃棄減による売り上げの増加は76万円と見込まれる。
関連情報
研究成果
- 農業・農村
- 宮城県
- 施設園芸栽培の省力化・高品質化実証研究
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