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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

令和元年度(第15回)業績概要

侵入警戒を要するウイロイドの防除に関する研究

受賞者  松下 陽介 氏 39歳

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門  主任研究員

略歴

平成17年京都大学大学院農学科学研究科修士課程修了。(独)農研機構花き研究所研究員、平成28年より現職。博士(農学)。

業績概要

背景

ウイロイドは最小の植物病原体であり、なかでもポスピウイロイド属のものは野菜・花き・ジャガイモで激しい病徴をもたらす要警戒重要病害種である。本病害は感染種子や無病徴感染苗の移動に伴い世界各地に分散しつつあるため、その侵入リスクの低減のための検疫対策が急務となっている。

研究内容・成果

(1)我が国初の検疫有害ウイロイドの発生確認及び根絶への貢献

2006年、ポスピウイロイドの1つであるトマト退緑萎縮ウイロイド(TCDVd)の国内初発生を報告し(図1左)、その防除対策マニュアルを作成した。

(2)TCDVdとジャガイモやせいもウイロイド(PSTVd)の同時検出・同定可能なマルチプレックスRT-PCRの開発

本法を用いた調査の結果、2009年に国内初となるPSTVdを検出した(図1右)。

(3)植物防疫法施行規則の改正への貢献

PSTVdの発見を受けてその生物学特性を解明し、植物防疫法施行規則の改正に貢献した。

(4)ポスピウイロイドの種子伝染機構の解明

ウイロイドの種子伝染過程を可視化し、その経路を初めて解明した(図2)。

受賞評価のポイント

要警戒重要病害であるトマト退緑萎縮ウイロイドの国内への侵入を初めて報告するとともに、種子伝染機構及び花粉を通じた水平伝染機構を解明し、我が国の植物防疫および国内外の種苗業界の検査体制の強化に貢献した点を高く評価した。

連絡先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門

住所:〒305-8519  茨城県つくば市観音台3-1-1

TEL:029-838-6669

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622