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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成30年度(第14回)業績概要

遺伝子組換えカイコの作出および産業利用の高度化

受賞者 坪田 拓也 氏 39歳

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門 主任研究員

略歴

平成20年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。(独)農業生物資源研究所 特別研究員、任期付研究員を経て、平成28年より現職。博士(理学)。

業績概要

背景

カイコは大量の絹タンパク質を生産する能力を持つ昆虫であり、遺伝子組換え技術 を利用した検査薬・医薬品・化粧品等の生産の事業化が一部の企業で始まっている。 カイコの産業利用をさらに拡大するためには、遺伝子組換えカイコの作出技術の高度 化や、絹タンパク質を合成する絹糸腺での遺伝子発現制御の理解が不可欠である。

研究内容・成果

(1)カイコの血球および全身での強力な遺伝子発現のためのDNA配列を特定した

→導入遺伝子の自在な発現制御や、組換えカイコの簡便な判別が可能になり、組換えカイコ研究全般の研究推進が加速化

(2)ゲノム編集を利用した新たな遺伝子挿入技術(ノックイン法)を確立した

→PITCh(ピッチ)法の利用による簡便・正確かつ高効率な遺伝子挿入系を構築し、カイコによる物質生産量の劇的な向上や基礎研究の効率化が可能に

(3)絹糸腺で大量の絹タンパク質合成の制御を行っている遺伝子を特定した

→Antp,Awh遺伝子が大量の絹タンパク質合成を制御していることを見出し、物質生産量の向上に利活用可能な基礎的知見を獲得

受賞評価のポイント

カイコの産業利用をさらに拡大するため、遺伝子組換えカイコ作出技術の高度化に取り組み、新規プロモーターの特定による組換えカイコの簡便な判別および、高効率での遺伝子挿入を可能とした点を高く評価した。

連絡先

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門

住所:〒305-8634 茨城県つくば市大わし1-2

TEL:029-838-6026(代表)

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622