このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

若手農林水産研究者表彰

平成27年度(第11回)業績概要

分光イメージングによる食品の品質評価技術の開発と実用化

受賞者 蔦 瑞樹 氏 39歳

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 主任研究員

略歴

平成16年東京大学大学院博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、食品総合研究所研究員を経て平成21年より現職。博士(農学)。

業績概要

主な業績

 農産物や食品の品質及び安全性を担保する社会ニーズが高まっており、残留農薬やカビ毒等の食品中での基準値が新たに策定され、流通の現場で活用できる迅速検査法の開発が喫緊の課題である。これに対応して、近赤外分光法による光センシング技術が注目されているが、糖度の測定等、対象とする農産物や成分が限られており、一部の選果場等における活用に留まっている。
 そこで、従来の光センシング技術では困難とされていた農産物の原産地判別や微生物汚染の迅速検出を可能とするために、膨大な情報量を特徴とする蛍光指紋及びそれを画像計測に拡張する分光イメージング手法の開発に挑戦し、下記の成果をあげた。

●世界で初めて食肉表面における微生物汚染の可視化に成功した。さらに、実用化に向けて計測方式の簡易化手法を新たに考案して(特許出願中)、農林水産業食品産業科学技術研究推進事業にて民間企業と共同で食肉の微生物検査装置の開発に取り組んでいる。
●開発した一連の技術を応用した「もち米の胴割れ透視器」がすでに市販され、これまでに約140台の販売実績がある。
●従来は不可能であった農産物の産地判別(マンゴー及びサトイモ)に成功した。

背景

農産物及び食品の安全性を担保するために、流通現場で活用できる迅速検査法の開発が求められている。本研究では、近赤外分光法に比べて感度や定量性で優れた蛍光指紋と、蛍光指紋及び近赤外分光法を画像計測に拡張した分光イメージングの開発と、農産物及び食品への品質評価への応用を目指した。

研究内容・成果

1. 蛍光指紋の活用

2. イメージングへの展開

3. 簡易計測アルゴリズム開発

分光イメージング手法の幅広い普及に向けて

 果実や加工品のラジカル消去活性を推定する新たな非破壊評価手法開発

 LED光源、光学フィルタ、光ファイバを組み合わせた簡易・小型蛍光指紋計測装置の開発と、「現場」での食品評価への展開

 光学フィルタと高感度カメラを組み合わせた分光イメージングシステムを高速化し、農産物や食品の「全数」検査へ展開

主要論文・特許

?「判別・定量のための蛍光指紋フィルタ設計法とその食品評価への適用」、日本食品科学工学学会誌 vol.59 p139-145(2012)

?「Foreign Substance Detection in Blueberry Fruits by Spectral Imaging」 (Award for Best Paper in Food Technology and Engineering, Food Scienceand Technology Research Vol. 12受賞)、Food Science and TechnologyResearch, vol.12 p96-100(2007)

?「 Three-Dimensional Visualization of Internal Structural Changes in Soybean Seeds during Germination by Excitation-Emission Matrix Imaging」、Transactions of the ASABE, vol.50 p2127-2136 (2007)

?「成分分布可視化方法および成分分布可視化装置」、特許第3706914号(2005年8月12日登録)

受賞評価のポイント

蛍光指紋の計測技術及びそれを画像計測に拡張する分光イメージング手法を開発し、農産物の産地判別や食肉表面における微生物汚染の可視化等に成功するとともに、本計測技術を活用した機械が商品化されている点が高く評価された。

連絡先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所

住所:〒305-8642 茨城県つくば市観音台2-1-12

TEL:029-838-8047

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622