このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

若手農林水産研究者表彰

平成23年度(第7回)業績概要

市場評価を取り入れた豚肉および牛肉の品質評価法の基準化に関する研究

受賞者 :西岡 輝美 氏 34歳

大阪府環境農林水産総合研究所 食の安全研究部 研究員

略歴

平成13年京都大学大学院農学研究科修了。大阪府立農林技術センター 研究員を経て、平成19年より現職。農学博士。

業績概要

主な業績

 豚や牛の脂肪品質は、外観、保存性、舌触りやヒトの健康など食肉の品質に様々な影響を及ぼす。特に、わが国では食料自給率向上のために食品残さの飼料(エコフィード)利用の推進が重要な施策となっているが、豚の脂肪は飼料の影響をうけやすく、品質低下が問題となる また牛の脂肪では 霜降り度の向上が重視されてきたが 霜降り以外の脂肪の品質も十分に考慮する必要が指摘されている。しかし、現在のところどのようなものがよいか、具体的な判断基準は明らかでない。そこで本研究では脂肪品質に着目し、豚肉および牛肉品質の評価法の基準化に関する以下の成果をあげた。

●食肉市場での調査から、現在生産されている豚、牛ともに脂肪品質の個体間の変動が大きいことを示した。

●豚脂肪の品質として重要な物理的特性のうち、エコフィ ドー 利用によって低下しやすい「締まり」、これまで評価法が検討されていなかった「粘り」の客観的な評価法を新たに開発し、飼料との関連が明らかな品質成分との関係を明らかにした。

●豚脂肪の食肉市場での評価との関連より「締まり」の基準値を明らかにした。

●消費者の嗜好性に影響する重要な品質因子であるが、国内ではあまり検討が進んでいなかった豚脂肪中のにおい物質について、個体差や官能評価への影響を示した。

●牛脂肪では、客観的な評価値と食肉市場における評価や価格との関連を検討し、評価の高い脂肪品質の範囲を明らかにした。

背景

畜産物の品質向上のために客観的な品質評価が重要であるが 豚肉や牛肉の外観等を左右する脂肪品質に関して、具体的な判断基準は明らかでない。また、脂肪の評価は、特に品質低下が生じやすい豚での食品残さの飼料利用(エコフィード)において重要である。

研究内容・成果

畜産物の品質向上、循環型社会の推進を目指して

 客観的な評価技術によって、主観的になりがちな品質評価を生産と流通の間で共通化することにより、市場での評価を通じた消費者ニーズの把握や、生産現場への品質改良の目安を提示可能

 エコフィード利用畜産物の品質の向上、安定化により、食品残さ等資源利用の拡大や持続に貢献

主要論文・特許

?「市場および小売店における牛肉脂肪の嗜好性と理化学的特性との関連」日本畜産学会報,第79巻第3号, 391-401 (2008)

?「Fluctuation and criteria of porcine fat firmness」Anim. Sci. 82, 929-935(2006)

?「Evaluation method for firmness and stickiness of porcine perirenal fat」Meat Sci. 70, 399-404 (2005)

受賞評価のポイント

本研究業績は、牛脂肪や豚脂肪の品質の変動等を明らかにし、物理的特性の客観的な評価法を開発するとともに、客観的な評価値と市場での評価、価格との関連を検討することで、市場評価を取り入れた肉の品質評価基準を明らかにした点が高く評価された。

連絡先

大阪府環境農林水産総合研究所

〒583-0862 大阪府羽曳野市尺度442

TEL 072-958-6551

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622