このページの本文へ移動

農林水産技術会議

メニュー

若手農林水産研究者表彰

平成22年度(第6回)業績概要

スギ花粉対策のための無花粉スギ品種開発に関する研究

受賞者 :斎藤 真己 氏 38歳

富山県農林水産総合技術センター森林研究所 主任研究員

略歴

平成8年岐阜大学大学院農学研究科修了。平成9年に富山県林業技術センター林業試験場 研究員平成18年より現職。農学博士。

業績概要

主な業績

 近年、スギ花粉症が社会問題になっていることから、スギ林からの花粉飛散の抑制が重要な課題となっている。
 本研究では、全く花粉を飛散させない無花粉スギを開発すると同時に、スギ花粉発生源対策の重点推進区域の設定にも取り組み 以下のような成果をあげた。

●スギの雄性不稔性は一対の劣性遺伝子(aa)に起因していることを明らかにし、日本で初となる無花粉スギ「はるよこい」を品種登録した。また、このスギの採穂園を整備し、さし木による大量増殖を可能にした。

●成長や材質が優れた「精英樹」の中にも雄性不稔遺伝子をヘテロ型(Aa)で保有する個体があることを発見し、この精英樹を交配親とする優良無花粉スギを開発した。

●雄性不稔遺伝子をホモ型(aa)とヘテロ型(Aa)で保有するスギを混植した室内採種園を造成し、自然交配により優良無花粉スギを大量増殖する方法を確立した。

●富山県内のスギ花粉飛散数および患者数の日推移、標高別のスギ林の開花状況等を解析し、富山市中心部の花粉飛散に強い影響を及ぼしているのは、標高300m以下で樹齢30年以上のスギ林であることを明らかにした。

●無花粉スギの早期普及を目的に、31都道府県の精英樹と交配した無花粉スギの種子を提供した。これを契機に全国各地でも無花粉スギの研究が行われることになった。

●国内5県で選抜された無花粉スギ11個体の諸特性を解明し、データベースの作成・公開を行った。

背景

近年 スギ花粉の大量飛散による花粉症が社会問題化しているこのためスギ林からの花粉飛散抑制が重要な課題となっている。

研究内容・成果

スギ林からの花粉飛散量の抑制に向けて

 全国各地で選抜された無花粉スギの特徴や遺伝様式は、下記のホームページで公開
 http://www.fes.pref.toyama.jp/Pdf/MukafunDB.pdf

 本手法を活用することにより全国各地での無花粉スギの大量増殖とスギ花粉の飛散抑制が可能

 スギ花粉対策のみならず、林業の活性化と木材自給率の向上にも貢献

主要論文・特許

?「Cytological and genetical studies on male sterility in Cryptomeria japonica D.Don.」Journal of Forest Research, 3, 167-173 (1998)

?「Plus tree of Cryptomeria japonica D. Don with a heterozygous male-sterilitygene 」 Journal of Forest Research 10 391-394 (2005)

?登録番号第15381号「無花粉スギはるよこい」の品種登録(2007)

受賞評価のポイント

 本研究業績は、無花粉スギの遺伝様式を明らかにし、日本で初の無花粉スギ「はるよこい」を品種登録に導くと共に、無花粉スギの大量増殖技術も確立したものである。花粉発生源対策の効率的な方法も提案しており、林業だけでなく生活環境への貢献も期待できる。

連絡先

富山県農林水産総合技術センター森林研究所

〒930-1362 富山県中新川郡立山町吉峰3

TEL: 076-483-1511

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622