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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成25年度(第9回)業績概要

小型反芻獣レンチウイルス感染症の国内防疫に関する研究

受賞者 :小西 美佐子 氏 38歳

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 主任研究員

略歴

平成14年麻布大学獣医学部卒業。(独)農業技術研究機構動物衛生研究所研究員を経て平成21年より現職。獣医学博士。

業績概要

主な業績

小型反芻獣レンチウイルス(SRLV)感染症は、山羊関節炎・脳脊髄炎ウイルス(CAEV)やマエディ・ビスナウイルスというめん山羊のレンチウイルスによって起こる不治の疾病で、めん山羊に育成率や泌乳量など生産性の低下を引き起こす。SRLVは生涯にわたって感染し、有効な予防・治療法がないため、感染個体の摘発・淘汰が必要であり、そのためには精度の高い診断法の確立が求められていた。そこで、SRLV感染症について様々な検査法の開発に取り組むとともに、全国的な疫学調査や清浄化対策を実施し、以下の成果を上げた。

●CAEVを国内で初めて分離し、CAEVを含むSRLV感染個体を幅広く検出する抗体検査法とウイルス検出法を開発した。

●全国的な疫学調査を実施し、わが国におけるCAEV浸潤状況を明らかにすると共に、感染リスクが高い品種や飼養形態等を特定した。また国内のCAEVと海外のSRLVの遺伝子配列を比較し、国内流行株の遺伝学的特徴を明らかにした。

●出産直後の親子分離、感染個体の分離飼育および定期検査を組み合わせて、国内最大規模の農場を始め、複数の農場で山羊関節炎・脳脊髄炎の清浄化を成功させた。

●平成24年に同じくSRLV感染症であり、届出伝染病でもある羊のマエディ・ビスナが国内で初めて発生した際には、開発した診断法が迅速な防疫に大きく役立った。

背景

国内にはない病気と考えられていた山羊関節炎・脳脊髄炎が、2002年に初めて発生し、精度の高い診断法の開発と清浄化対策の実施による防疫体制の確立が求められている。

研究内容・成果

わが国のめん山羊産業のさらなる発展に向けて

SRLV感染症清浄国への復帰:生産性向上、健全なめん山羊の生産 日本在来種の海外輸出

アジア諸国への防疫技術の伝達:アジア各国の在来種保護

主要論文・特許

?「An epidemic of caprine arthritis encephalitis in Japan: Isolation of the virus」 Journal of Veterinary Medical Science, 66(8), 911-917(2004)

?「 Development of enzyme-linked immunosorbent assay for detection ofantibody against caprine arthritis encephalitis virus using recombinant proteinof the precursor of the major core protein, p55gag」 Journal of VeterinaryDiagnostic Investigation, 22, 415-419(2010)

?「Combined eradication strategy for CAE in a dairy goat farm in Japan」Small Ruminant Research, 99, 65-71(2011)

受賞評価のポイント

 有効なワクチンや治療法がない小型反芻獣レンチウイルス(SRLV)感染症を引き起こすウイルスの一つである山羊関節炎・脳脊髄炎の病原ウイルス(CAEV)を国内で初めて分離し、CAEVを含むSRLV感染個体を幅広く検出する抗体検査法とウイルス検出法を開発した点が高く評価された。

連絡先

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所

〒305ー0856 茨城県つくば市観音台3-1-5

TEL: 029-838-7713

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622