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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成26年度(第10回)業績概要

肉用牛の効率的生産および脂肪交雑推定に関する研究

受賞者 橋元 大介 氏 37歳

長崎県農林技術開発センター 畜産研究部門 主任研究員

略歴

平成26年鹿児島大学大学院連合農学研究科博士後期課程修了。長崎県畜産試験場肉用牛科研究員を経て平成21年より現職。博士(農学)。

業績概要

主な業績

黒毛和種肥育牛生産における技術的課題解決に向け、早期肥育技術、おいしい牛肉の生産技術および超音波エコー画像を用いた精度の高い脂肪交雑推定ソフトの開発を行った。研究成果は、全国和牛能力共進会で活用され、長崎県初の内閣総理大臣賞を受賞した。また、県内の肉用牛関連事業への展開がなされ、「長崎和牛」ブランド力の強化に大きく寄与した。

生後7~24ヵ月齢までの黒毛和種早期肥育技術に適した飼料給与体系および交雑種(黒毛和種雄×ホルスタイン種雌)肥育に適した飼養管理体系を明らかにした。

黒毛和種去勢牛の飼料への米ぬか、または脂肪酸カルシウム添加は、産肉性に影響を及ぼさないものの、牛肉中の不飽和脂肪酸割合などを高める傾向をもたらし、その牛肉の食味性を向上させることを明らかにした。

超音波エコー画像を用いた肥育牛のBMS No.(霜降り)を生体時に推定するために、パソコン上で作業が可能な推定プログラムを開発した。

以上を主とする研究成果に基づき、H24.10に長崎県で開催された「第10回全国和牛能力共進会 肉牛の部」では、出品牛生産にあたり、飼養管理の指導や出品牛選抜に従事し、長崎県初となる内閣総理大臣賞を獲得し、「長崎和牛」ブランド力の強化に大きく寄与した。

さらに現在では、黒毛和種肥育期間短縮を目的とする肉用牛関連事業に取り組み始め、生産者のコスト削減に繋がる生産体系の普及に尽力している。

背景

本研究では、肉用牛生産に関して生産者のみならず、消費者の視点からも考察し、生産現場での技術的課題解決の一助となる研究開発を行い、その普及・実用化を目指した。

研究内容・成果

肉用牛生産技術的課題解決および「長崎和牛」ブランド強化に向けて

研究成果を活用し、「全国和牛能力共進会 肉牛の部」において、長崎県初の内閣総理大臣賞を獲得。ブランド強化に大きく貢献。

県内肉用牛関係事業への展開も行われ、生産者の所得向上および消費者ニーズへの迅速な対応に大きく寄与すると考えられる。

主要論文・特許

?「肉質向上を目的とした交雑種肥育および黒毛和種早期肥育技術に関する研究」、日本暖地畜産学会報、56(1)21-27(2013)

?「黒毛和種去勢牛の肥育後期における米ぬかまたは脂肪酸カルシウム添加飼料の給与が産肉性,食肉の理化学特性ならびに官能特性に及ぼす影響」、日本暖地畜産学会報、56(2)151-157(2013)

?「超音波エコー画像を用いたウシ枝肉脂肪交雑推定プログラムの開発」、日本畜産学会報、85(1)51-60(2014)

受賞評価のポイント

黒毛和種早期肥育技術を確立し生産現場に普及させるとともに、迅速かつ高精度の脂肪交雑推定ソフトを開発し、肥育牛生産における技術的課題解決に貢献している点が高く評価された。

連絡先

長崎県農林技術開発センター

住所:〒859-1404 長崎県島原市有明町湯江丁3600番地

TEL:0957-68-1135

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622