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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成27年度(第11回)業績概要

森林内放射性セシウムの時空間変動モデリングに関する研究

受賞者 橋本 昌司 氏 38歳

国立研究開発法人 森林総合研究所立地環境研究領域 主任研究員

略歴

平成16年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。東京大学農学特定研究員をへて、平成17年森林総合研究所研究員。平成22年より現職。平成27年日本森林学会奨励賞受賞。博士(農学)。

業績概要

主な業績

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所において放射能漏れ事故が発生し、福島県を中心として日本の国土は放射性物質により広く汚染された。汚染地域の約70%が森林である。放射性セシウムは半減期が長いので、森林の汚染状況の把握と放射性セシウムの森林内での動態を長期間予測する必要がある。森林生態系放射性物質動態予測モデルを用いて森林内の放射性セシウム動態を広域で長期予測した。

●チェルノブイリ事故後のヨーロッパにおける調査結果に基づいて構築された森林内放射性物質動態予測モデルを用いてシミュレーションシステムを構築した。

●林野庁・森林総合研究所が行った地上における森林の調査結果と、文部科学省の航空機モニタリングによる広域沈着量調査結果を利用した。

●上記を組み合わせ、森林の樹木、地表の落葉落枝、土壌の部位別に、時間的空間的に単位面積あたりの放射性セシウムの分布を予測した。

●樹木に付着した放射性セシウムは、常緑針葉樹、落葉広葉樹共に、数年以内に多くが土壌に移行すること、自然崩壊により汚染地域は時間とともに減少していくが、汚染度の高い地域では土壌の汚染は長期間続くという予測結果を得た。

背景

福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故により汚染された地域の約70%が森林である。森林の復興計画策定には、森林内での放射性セシウムの動態予測が必要である。

研究内容・成果

今後の森林のさらなる再生へ向けて

 森林内の放射性セシウムの動態モニタリングの継続

 樹木・土壌間の放射性セシウムの移行メカニズムの解明と定量

 観測モニタリング・地理情報システム・モデルの統合的活用による、放射性セシウム動態の長期予測の高度化と高精度化

 科学的予測に基づいた森林管理計画の策定

主要論文・特許

?「Predicted spatio-temporal dynamics of radiocesium deposited ontoforests following the Fukushima nuclear accident(福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故後に森林に降下した放射性セシウムの時空間的変動の予測)」、Scientific Reports, Vol. 3, 2564, 1-6(2013)

?「The total amounts of radioactively contaminated materials in forests inFukushima, Japan(福島第一原子力発電所周辺の高濃度に放射能汚染された森林の物質量の推定)」 、Scientific Reports, Vol. 2, 416, 1-5(2012)

?「福島第一原子力発電所の事故により放射能に汚染された森林の修復に向けて」、水 利科学、 Vol. 56, 1-10(2012)

受賞評価のポイント

東京電力福島第一原子力発電所事故後、迅速に研究を開始し、森林内での放射性セシウムの分布状況を予測したことで、汚染された森林の対策を考える上で重要な情報を提供した点が高く評価された。

連絡先

国立研究開発法人 森林総合研究所

住所:〒305-8687 茨城県つくば市松の里1

TEL:029-829-8227

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622