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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成28年度(第12回)業績概要

イサダからの新規肥満抑制物質8-HEPEの同定及び抽出方法の開発

受賞者 山田 秀俊 氏 35歳

公益財団法人岩手生物工学研究センター 生物資源研究部 主任研究員

略歴

平成20年鳥取大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。(公財)岩手生物工学研究センター 研究員を経て、平成27年より現職。博士(機能再生医科学)。

業績概要

背景

三陸地域では毎年3-4月にイサダ漁が行われ、春の風物詩として親しまれている(写真)。最盛期には10万トンの水揚げ量があったイサダ(ツノナシオキアミ)だが、需要低下による漁獲制限のため、現在の漁獲量は3万トンまで落ち込んでいる。イサダの利用用途拡大と需要増加を目指して、イサダの健康機能性研究に取り組んだ。

研究内容・成果

これまで、EPA・DHAやアスタキサンチンなど、既知の機能性成分の分析はイサダでも行われてきたが、イサダ特有の成分に着目した研究は行われていなかった。そこで我々は、イサダ特有の機能性成分を見出すことを目標に、研究に着手した。 培養細胞を用いた機能性探索試験から、イサダに肥満抑制効果があることを見出し、イサダに含まれる成分が肝臓での脂質代謝を促進していることを明らかにした。脂質代謝活性化作用を指標に、活性物質の精製を行い、イサダ由来の新規肥満抑制成分として8-HEPEを同定した(右図)。
 8-HEPEには、1)EPAよりも約10倍高い脂肪燃焼促進活性を持ち、2)魚には含まれないオキアミ特有の成分である、という大きな2つの特徴がある。この特徴を活かした新規機能性素材の開発に、地元企業を含むグループで取り組み、8-HEPE濃縮素材の製造方法を確立した。さらに、8-HEPE濃縮素材の安全性と肥満抑制効果を動物実験にて実証した。

 現在は、農林水産技術会議事務局の地域戦略プロジェクトにて、イサダから8-HEPE濃縮素材を含む複数の高付加価値素材製造プロセスの開発に取り組んでいる。イサダに含有される成分を活用した高付加価値製品開発によって、三陸への新たな健康?寿産業の創出とイサダの需要増加を目指している。

受賞評価のポイント

地域特有の水産資源から抽出した物質に抗肥満効果があることを世界で初めて明らかにし、その 抽出方法を開発するとともに、新たな機能性食品やサプリメント商品等への活用が期待される点が高く評価された

連絡先

(公財)岩手生物工学研究センター

住所:〒024-0003 岩手県北上市成田22-174-4

TEL:0197-68-2911

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622