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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成26年度(第10回)業績概要

アブラナ科野菜における分子育種の基盤構築とその応用

受賞者 諏訪部 圭太 氏 39歳

国立大学法人 三重大学大学院 生物資源学研究科 准教授

略歴

平成12年三重大学大学院博士前期課程修了。野菜茶業研究所・英国John Innes Centre・東北大学大学院を経て、平成21年より現職。博士(学術)。

業績概要

主な業績

 アブラナ科には多種多様な野菜類が属し、育種対象とする農業形質も多岐にわたる。品種を育種する際には、様々な種類の野菜類に対して様々な形質を個別に研究する必要があり、さらに他殖性のために遺伝的に不均一であり純系を用いた解析ができない。このような背景のため、研究材料および研究ツールを統一することが難しく、正確な研究解析は困難を極める。そこで、これらを解決するための高精度かつ高汎用性の研究ツールの開発とそれを基にした正確な研究解析に取り組み、以下の成果を上げた。

●アブラナ科野菜における高汎用性遺伝解析技術(DNAマーカー、遺伝地図等)を確立し、アブラナ科遺伝学の低信頼性の原因である「解析ツールの汎用性の低さ」を克服。

●国際コンソーシアムThe Multinational Brassica Genome Projectとの連携によるアブラナ科遺伝地図の国際標準化と統一基準の規定。

●アブラナ科根こぶ病抵抗性の正確な遺伝様式の解明と進化仮説の提唱。その知見を基に、野菜茶業研究所が強度抵抗性ハクサイ品種「あきめき」を開発。

●モデル植物であるシロイヌナズナ(アブラナ科)における自殖性の原因が花粉因子SCRの変異にあることを突き止め、その変異を修復することでシロイヌナズナを他殖性へと逆進化。受粉の人工制御が可能であることを示すとともに、モデル植物ベースでの研究を可能に。

背景

アブラナ科には、ハクサイやキャベツ、ナタネ、ダイコン等、日本の食生活を支える多種多様な野菜類が属し、育種対象形質も多岐にわたる。また、 2倍体種の多くが他殖性のため遺伝的に不均一で、正確な遺伝解析を可能にする研究材料およびツールが乏しい。これらを克服した育種を行うためには、高精度かつ高汎用的な研究ツールの確立とそれを用いた各種育種形質の正確な理解・解明が必要。

研究内容・成果

アブラナ科野菜におけるコーディネート育種に向けて

 我々人間の食生活あるいは農業にとって重要な形質の遺伝様式・分子情報を高精度ツールによって正確に解明し、得られた知見を集約・共有化。

 その情報を基に、優良形質を集積した品種あるいはニーズに合う形質のみを選択的に導入した品種を短期間に開発。

主要論文・特許

?「Isolation and characterization of microsatellites in Brassica rapa L.」Theor. Appl. Genet. 104: 1092-1098 (2002)

?「Simple sequence repeat-based comparative genomics between Brassica rapa and Arabidopsis thaliana: the genetic origin of clubroot resistance.」 Genetics 173: 309-319 (2006)

?「Evolution of self-compatibility in Arabidopsis by a mutation in the male specific gene.」Nature 464: 1342-1346 (2010)

受賞評価のポイント

アブラナ科野菜における高汎用性遺伝解析技術を確立し、その技術を用いてアブラナ科強度根こぶ病抵抗性の遺伝様式・進化を解明するとともに、新品種開発にも貢献している点が高く評価された。

連絡先

国立大学法人 三重大学大学院

住所:〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577

TEL:059-231-9483

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
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