若手農林水産研究者表彰
平成29年度（第13回）業績概要
食品の有効な摂取に向けた体内時計調節に関する研究
受賞者 大池 秀明 氏 39歳
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 主任研究員
略歴
平成17年東京大学大学院博士課程修了。(独)農研機構食品総合研究所研究員、 ウィスコンシン大学客員研究員を経て平成23年より現職。博士（農学）
業績概要
背景
高齢者人口の増加に伴い健康寿命の延伸が課題となる中、食事からの効率的な栄養摂取や食生活の改善による健康増進への期待が高まっている。また、社会の24時間化が進んだことで、体内時計の不調に起因する健康リスクも増加している。体内時計を活用した新しい食科学に、健康増進実現への突破口としての役割が期待されている。
研究内容・成果
ポリフェノール、カフェイン、食塩など、日常的に摂取する食品成分によって体内時計が調節可能であることを、ヒト細胞等で明らかにした【新しい概念の構築】
朝食による体内時計のリセットには、糖とアミノ酸の組み合わせが効果的であることを示し、栄養バランスのとれた朝食の重要性を示した。【食育の科学的根拠】
不規則な生活による肥満誘発の動物モデルを構築し、食事時刻を規則正しく固定することでメタボ予防が可能であることを示した【実生活への応用モデルの確立】
受賞評価のポイント
食品に含まれる成分や食事時間が体内時計の調節に関与することを科学的に証明しただけでなく、食育への活用や生活リズム改善食の開発が期待されることが高く評価された。
連絡先
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
住所:〒305-8642 茨城県つくば市観音台2-1-12
TEL:029-838-8088
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究調整課
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