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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成29年度(第13回)業績概要

乳酸菌オリゴDNAを腸まで届ける経口用ナノカプセルの開発

受賞者 下里 剛士 氏 39歳

国立大学法人 信州大学 菌類・微生物ダイナミズム 創発研究センター センター長

略歴

平成18年東北大学農学研究科博士課程修了。日本学術振興会海外特別研究員, 信州大学助教、准教授を経て平成28年より現職。博士(農学)。

業績概要

背景

オリゴDNAとは、微生物ゲノムDNAに由来する核酸素材である。これまでに優れた免疫機能を有するオリゴDNA(DNA短鎖)が次々と見出されているが、その簡便かつ経済的な投与方法は確立されていない。とくにオリゴDNAは胃酸や消化酵素による分解を受けることから、主に注射による投与方法が採用されてきた。

研究内容・成果

「食べるオリゴDNA」をコンセプトに掲げ、乳酸菌由来のオリゴDNAをカルシウムナノ粒子に包摂し、胃酸に溶けず腸まで届く「DNAナノカプセル」を開発した。さらに注射投与量の1/10量に相当するオリゴDNAをカプセル化し、繰り返し腸に届けることで、全身免疫系を制御できることをマウスで初めて示した。すなわち、乳酸菌オリゴDNAの経口摂取が可能となった。今後、乳酸菌オリゴDNAを有効成分とする家畜飼料や機能性食品の創製が期待される成果である 。

受賞評価のポイント

これまで注射器によって投与されていたオリゴDNAを腸まで届ける「ナノカプセル」を開発しただけでなく、今後機能性食品や家畜飼料等への応用が期待される点が高く評価された。

連絡先

信州大学 菌類・微生物ダイナミズム創発研究センター

住所:〒399-4598長野県上伊那郡南箕輪村8304信州大学伊那キャンパス

TEL:0265-77-1403

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622