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農林水産技術会議

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若手農林水産研究者表彰

平成29年度(第13回)業績概要

ナシとリンゴの省力栽培形質に関するDNAマーカーの開発

受賞者 岡田 和馬 氏 38歳

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 主任研究員

略歴

平成19年神?大学大学院博士課程後期課程修了。(独)農研機構果樹研究所 研究員、主任研究員を経て、平成28年より現職。博士(農学)

業績概要

背景

果樹生産現場では、担い手不足が深刻であり、省力栽培に適した新品種が望まれている。省力栽培に適した新品種育成を促進するためには、省力栽培形質を持つ個体を幼苗段階で正確に選抜できるDNAマーカーの開発が不可欠である。

研究内容・成果

(1)自家和合性のニホンナシを選抜できるDNAマーカーを開発

ニホンナシでは、「二十世紀」の突然変異体として、自家受粉で結実し(自家和合性)、人工受粉を省力化できる「おさ二十世紀」がある。「おさ二十世紀」では、自家受精を妨げる遺伝子を含む235,982 bpの領域が欠失していることを解明し、自家和合性のニホンナシを選抜できるDNAマーカーを開発した。

(2)カラムナータイプのリンゴを選抜できるDNAマーカーを開発

リンゴでは、「McIntosh」の突然変異体として、カラムナータイプ(円柱状)の樹形を示す「Wijcik」が発見され、せん定や収穫の省力化、機械化が期待されている。「Wijcik」の変異の原因として、8,202 bpの配列(レトロポゾン)が挿入されていることを解明し、カラムナータイプのリンゴを選抜できるDNAマーカーを開発した。

受賞評価のポイント

ニホンナシとリンゴにおいて、省力化に資する形質を持つ突然変異体を解析しDNAマーカーを開発しただけでなく、今後新品種育成が画期的に加速することが期待される点が高く評価された。

連絡先

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門

住所:〒020-0123 岩手県盛岡市下厨川字鍋屋敷92-24

TEL:019-641-3164

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究調整課

代表:03-3502-8111(内線5810)
ダイヤルイン:03-3502-7399
FAX番号:03-5511-8622