リンドウにおけるゲノム編集技術を用いた新規育種素材の開発
- プロジェクト名
- ゲノム編集技術を活用した農作物品種・育種素材の開発(個別)
- 分野
- 育種
- 研究代表機関
- (公財)岩手生物工学研究センター
- 共同研究機関
- 岩手県農業研究センター
- 研究期間
- 令和元年度~令和5年度
- PDF版
- リンドウにおけるゲノム編集技術を用いた新規育種素材の開発
研究概要
傾リンドウにおいて、ゲノム編集技術を活用し有用形質を導入した新規育種素材を開発するとともに、遺伝的に均一な純系を効率的に作出する技術を改良しました。
これらの技術を活用することにより、様々なリンドウ育種素材を用いた品種開発の効率化が期待されます。
研究背景
リンドウは日本独自の花き品目であり、仏花や贈答用といった様々な需要に対応するため、品種開発が進められています。しかし、リンドウは他殖性植物で有用形質の導入や固定に時間がかかり品種開発に10年以上の期間を要すことが課題です。
このため、ゲノム編集技術を活用し効率的に新規育種素材を作出するとともに、遺伝的に均一な純系を効率的に作出する技術を改良し、品種開発の効率化に取り組みました。
ゲノム編集により各種遺伝子をノックアウトしたリンドウ
(左 元系統、右3枚 花色、花型改変)
形質の固定を効率化する未受精胚珠培養・倍加処理により、植物体を育成
主要成果
リンドウにおいて、ゲノム編集技術を活用し花持ちの向上や八重咲化した育種素材の作出に成功
➔観賞価値を高めた品種開発への活用が期待
EPH1L編集による花持ち向上(上)
AG1編集による八重咲きF2個体(下)
リンドウにおける効率的なゲノム編集技術(CRISPR/Cas9)を確立
➔ ゲノム編集技術により、ターゲットとする遺伝子を70%以上の割合で編集することが可能となり、新規育種素材の開発の加速化が期待
八重咲きに関する遺伝子 (AG1遺伝子)のゲノム編集結果
CRISPR/Cas9によるゲノム編集を行うために、その編集ツールであるベクターを改良することで成功率が向上
リンドウにおいて、遺伝的に均一な純系を作出するために必要な未受精胚珠培養の培地に硫酸銅を添加することで、植物体に成長する胚様体の獲得効率が向上
➔育種素材の開発期間の短縮によりリンドウの育種が容易となり、市場ニーズに対応した品種開発の効率化が期待
胚様体獲得効率
※硫酸銅なしを100とした時の相対値
この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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