アジアの水稲作におけるGHG排出削減手法
- プロジェクト名
- アジア地域の水田におけるGHG削減等に関する総合的栽培管理技術の開発
- 分野
- 水田作
- 研究代表機関
- 農研機構
- 共同研究機関
- 国際農林水産業研究センター、国際稲研究所、フエ農林大学、インドネシア農業環境研究所、フィリピン稲研究所 等
- 研究期間
- 平成30年度~令和4年度
- PDF版
- アジアの水稲作におけるGHG排出削減手法
研究概要
水田からの温室効果ガス(GHG)排出量を30%程度削減しつつ、収量の維持または増収を実現するAWDの導入と、腐熟有機物の適量投入を組み合わせた技術体系を開発しました。
この手法によりAWDを導入することで、土壌中の炭素の量を長期的に維持できることが予測されます。
研究背景
水田は、二酸化炭素の約25倍の温室効果をもつメタンの主要な排出源のひとつと考えられていますが、水管理の工夫などによりその排出量を削減できることが知られています。しかしながら、年間を通じて気温の高い東南アジアでは、水管理手法の変更による収量の減少や地力の低下への不安が、農家による技術導入に向けた大きな課題となっています。
このため、世界のコメ生産量のうち約9割を占めるアジアの灌漑水田において、農家が利用可能なGHG排出削減手法の開発に取り組みました。
主要成果
- ベトナムおよびインドネシアにおいて、ほ場水位が地表面下15~30cmに達した際に再灌水するAWDを導入。その際の収量およびGHG排出量への影響を評価
➔ 水田からのGHG排出量を約30%削減しつつ、コメの収量の維持・向上が可能
- 水田への腐熟有機物の投入により、コメの増収が可能なことを実証するとともに、数理モデルに基づき適切な有機物の投入を行うことで、土壌中の有機炭素量の維持が可能であることを予測
➔ AWDと腐熟有機物の適量投入の組合せにより、収量あたりのGHG排出量を増加させず、長期的に地力を維持することが可能
この研究についてのお問い合わせ先
この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。
農林水産技術会議事務局国際研究官室
TEL:03-3502-7466
お問合せ先
農林水産技術会議事務局研究企画課
担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)