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農林水産技術会議

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成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発

プロジェクト名
成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発
分野
林業
研究代表機関
森林研究・整備機構
共同研究機関
岡山県、佐賀県、鹿児島大学、宮崎大学、九州大学、岐阜大学 等
研究期間
平成30年度~令和4年度
PDF版
成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発

研究概要

エリートツリー等の成長に優れた苗木の育苗技術を高度化するとともに、植栽地の環境条件と植生タイプに応じて下刈り終了を判断する技術を開発しました。また、エリートツリー等の初期成長の予測や再造林初期費用の計算等が可能で、施業計画立案をICTで支援するツールである「I-Forests」を開発しました。

これらの技術を活用することにより、再造林初期費用を従来より30%以上削減できる施業モデルの検討が可能となります。

研究背景

森林資源の循環利用やCO2削減に資するため、森林を伐ったら植えること(再造林)が必須ですが、再造林初期費用(地拵え~下刈り)が立木販売収入を上回ることが課題であり、再造林率が低いのが現状でした。

このため、エリートツリー等の成長に優れた苗木を、低コスト再造林のために有効活用する技術開発に取り組みました。

立木販売収入より再造林初期費用初期成長の早いエリートツリー
が上回る

主要成果

  • 播種からの積算温度により苗高の経時変化を推定するモデルを開発
    ➔ エリートツリー等の苗木が1成長期で到達する苗高の推定が可能となり、苗木の移植から出荷に至るまでのスケジュール管理の効率化に貢献

    播種からの積算温度と苗高の関係
  • エリートツリーは土壌水分条件の良い場所で通常のスギより樹高成長が良く、その傾向は系統間で異なることを解明
    ➔ エリートツリー等成長に優れた苗木は、土壌水分等の環境条件を精査し、植栽地に応じた系統を選択することが重要

    土壌水分指標(TWI)によるスギ既存系統とエリートツリー系統の
    5年次の樹高の推定値
  • 下刈りの終了を判断するスギ樹高の目安を競合植生タイプ毎に解明(九州ではススキ型で2.2m、薬用広葉樹型で1.3m、キイチゴ型で1.5m、ササ型で1.1m以上)
    ➔ 苗木の成長モデルと組み合わせた判断により、適切な下刈りスケジュールの選択に貢献

    スギの樹高が競合植生を上回る確率分布

  • 施業計画立案をICTで支援するツール「I-Forests」を開発
    ➔ I-Forestsを用いたシミュレーションにより、再造林費用を従来より30%以上削減できる施業モデル(植栽密度・地拵種類・下刈回数 等)の検討が可能

    施業モデルごとの再造林経費のコストパターン

より詳細に知りたい方へ向けた参考情報

森林研究・整備機構作成のマニュアル(森林研究・整備機構ホームページ)

北海道立総合研究機構作成のマニュアル(北海道立総合研究機構ホームページ)

この研究についてのお問い合わせ先

この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。

農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室

TEL:03-6744-2216

お問合せ先

農林水産技術会議事務局研究企画課

担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)

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