赤潮発生・終息早期予測、底質改善技術
- プロジェクト名
- 有害プランクトンに対応した迅速診断技術の開発
- 分野
- 赤潮対策
- 研究代表機関
- 早稲田大学
- 共同研究機関
- 理化学研究所、水産研究・教育機構、長崎県総合水産試験場、高知大学、宮崎大学、 鹿児島大学、日本ソフトウェアマネジメント(株)
- 研究期間
- 平成28年度~令和2年度
- PDF版
- 赤潮発生・終息早期予測、底質改善技術
研究概要
赤潮発生の3日前予察、終息も予測し早期対処可能に、海底モニタリングで汚染進行を抑制
AI等最先端の手法を用いて海中環境を解析する「エコミクス」という概念を拓き、赤潮の発生・終息を早期に予測する技術を開発しました。被害が甚大になる前に、早期水揚げ、生け簀移動などの対処が可能となります。
また、世界で初めて電位に基づき海底環境を把握するシステムを構築し、養殖場環境の改善技術を開発しました。コストを数万円に抑え、クルマエビ水槽で汚染の進行を抑制する効果が認められています。

研究背景
赤潮の発生は漁業に甚大な影響を及ぼし、1回の赤潮で数十億円の被害が発生することもあります。クロマグロ養殖は日本の水産業を支える柱の1つとして重要視されていますが、本種は赤潮に対してきわめて弱いため、赤潮の発生にいち早く対処し、その拡大・衰退を知ることが重要です。
このため、最先端の手法を用いて、海中の遺伝情報や代謝物、物性情報等を長期モニタリングにより解析し、赤潮の発生を3日前迄に予察する技術、終息を予測する技術、ならびに漁場環境を測定する技術の開発を目指しました。

主要成果
- 赤潮発生を3日前までに予察可能な機器を開発
➔ 養殖魚の早期水揚げ、生簀の移動などの対処が可能 - 有害プランクトンから抽出した代謝物(グルコース/グリシン比)等により赤潮終息を予測
➔ 科学的根拠に基づく生簀移動や餌止め期間の決定が可能 - 世界で初めて、電位に基づき海底環境の状況を把握
➔ 養殖場海底の環境保全に貢献

より詳細に知りたい方へ向けた参考情報
海洋フォーラムでのパネルディスカッション動画(YouTubeへのリンク)
この研究についてのお問い合わせ先
この研究に関するご相談や質問等は、以下よりお問い合わせいただけます。
農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
TEL:03-6744-2216
お問合せ先
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担当:企画班
TEL:03-3501-4609(直通)
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