環境応答性や無花粉性を備えるスギ育種素材
- プロジェクト名
- 気候変動に適応した花粉発生源対策スギの作出技術開発
- 分野
- 花粉対策
- 研究代表機関
- 森林総合研究所
- 共同研究機関
- 九州大学、岡山県、愛媛県、宮崎県
- 研究期間
- 平成28年度~令和2年度
- PDF版
- 環境応答性や無花粉性を備えるスギ育種素材
研究概要
全国356系統を網羅的に評価、候補遺伝子を数万から数十に特定、優良19系統を作出
多様なスギ系統の乾燥ストレス耐性をフィールド試験と人工制御環境での試験の両面から評価する技術や、少/無花粉性を効率的に判定する遺伝情報技術等の開発により、「環境応答性や少/無花粉性を兼ね備えるスギ」の作出が可能になりました。
わが国で初めてとなる気候変動適応策に資する造木林の育種素材を作出する技術であり、従来手法では多大な年月と労力がかかる品種開発期間を10年以上短縮しました。
優良スギ系統の一部はすでに育種現場へ導入されており、将来の気候変動下での森林整備に貢献することが期待されます。

研究背景
地球温暖化に疑う余地はなく、最も厳しい温室効果ガスの削減努力を行った場合にも想定される気候変動に対処するため、短期的な対応だけでなく中長期的な気候変動適応を目指すことが重要です。
このため、本研究では、気候変動によるリスクとして乾燥や高温等が懸念される中、林業の生産性と健全性を維持する観点も踏まえ、環境ストレスへの応答や少/無花粉性に着目し、将来の森林整備に貢献する林木育種の基盤技術の開発に取り組みました。

主要成果
- 全国の多様な系統のデータを活用、乾燥に対する成長性を葉の生理活性等から評価
➔ 優良系統の選抜期間を10年以上短縮 - 乾燥耐性や少/無花粉性を効果的に判定可能な遺伝情報技術を開発
➔ 表現型では捉えきれない詳細なストレス応答等を早期に判定可能 - 乾燥耐性や成長性、無花粉性等の特性をランキング、スギ育種素材を19系統作出
➔ 環境応答性や成長性に優れ、少/無花粉性を兼ね備えるスギ品種の開発に活用

この研究についてのお問い合わせ先
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農林水産技術会議事務局研究開発官(基礎・基盤、環境)室
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お問合せ先
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